奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その929)

2019-03-11 08:15:00 | 奈良・不比等
北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「梅桃(ゆすらうめ)が実るとき(吉行あぐり著・文春文庫1998刊/1985版の文庫化)」を読んだ。吉行あぐり(よしゆき安久利1907~2015)女史は、岡山第一高女在学中に15歳で結婚し、1929年には東京/市ヶ谷で美容院を開店し、2005年まで長らく営んだ。-----
「梅桃が実るとき」は、NHK朝ドラ“あぐり(1997上期)”の原作本であり、吉行あぐり女史の長男は芥川賞作家の吉行淳之介(1924~1994)、長女は女優の吉行和子(1935~)、次女も詩人/芥川賞作家の吉行理恵(1939~2006)である。----
波乱万丈の“吉行あぐり”の人生は100歳を超えて生きる高齢化日本の上等な見本のようなものであり、誰でもが真似は出来ないが、それに一部は肖(あやか)りたい程に、健気(けなげ)な一生であったと思える。-----
「梅桃の実るとき」を吉行あぐり女史が執筆された時の年齢は78歳(1985昭和60年)であり、その後さらに29年を生き切られている。226事件のことも、東京空襲のことも、山梨疎開のこともさらっと書いておられて、記憶力は抜群なのだろうけれど、それにしても女性ながら気の強い方であったのだなと思わせられた。誰の人生でも優れた小説の一つとなると言う人がおられるが、その点からすれば、吉行あぐり女史が書かれた「梅桃の実るとき」はそれにぴったりの作品となっている。
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