奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その919)

2019-03-01 08:15:00 | 奈良・不比等
北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「直木孝次郎/歴史を語り継ぐ~わたしの戦前戦中戦後(直木孝次郎著2013刊)」を読んだ。直木孝次郎(なおきこうじろう1919~2019)氏は、京大(国史科)卒で、現在は大阪市大名誉教授である。日本古代史の大家である。------
京大を繰り上げ卒業の年(1943.9.23)に、直木孝次郎氏は文弱なのに海軍予備学生として、土浦海軍航空隊(兵科)に召集(1943.10.1)されて、翌年(1944.3)には松山海軍航空隊に予科練の教育係(少尉)として配属される。更に翌年(1945.3)には、海軍兵学校(長崎針尾分校)に、予科教官(中尉)として配属される。7月には山口県防府市に学校ごと疎開するも、8月には終戦を迎えるのである。-----
100歳の長寿を永らえられた直木孝次郎氏は最後の力を振り絞り、日本の行く末を憂えるが如く書き遺された断簡となった本であり、1文1文を噛みしめて味わいたい本であると思った。-----
軍国主義や天皇制や特攻隊などに関するご自身の想いを素直に述べておられる。時代を生きていても、外地で戦った訳でもなく、内地で安全な処にいた自分が大きなことは言えないが、それでも、思ったことを書き遺すことは後世何かの役に立つはずと、自身を励まして書いたそうである。感性鋭い文弱の直木孝次郎氏の面目躍如の本となっていると誰しも思うことだろう良い本である。古代史の泰斗であらせられたので、奈良県下の公務員なら是非改めて読んでおかれては如何だろうかと思った。
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