奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その932)

2019-03-14 08:15:00 | 奈良・不比等
北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「家族という呪い~加害者と暮らし続けるということ(阿部恭子著・幻冬舎新書2019刊)」を読んだ。阿部恭子(あべきょうこ1977生れ)女史は、東北大大学院(法学研究科)修士課程修了で、2008年、社会的差別と自殺の調査研究を目的とした“ワールド・オープン・ハート”を設立し、犯罪加害者家族の相談支援活動を続けている。-----
「家族という呪い」は下重暁子女史の「家族という病(2015)」の真似であることは歴然としているが、内容は比べるべくもなく暗い。このような観点から社会活動をなさっているのは、女性ならではないかと思えてしまう。男性では絶対に無理な活動であると思う。ある種、ヘレンケラー(1880~1968)とかマザーテレサ(1910~1997)の活動を彷彿とさせるのである。------
人間の三大欲求である“食欲”、“性欲”、“睡眠欲”の内、“性欲”に絡む人間の行動をあからさまに語るのは気が引けるものですが、阿部恭子女史はズバズバと“性欲”に係わる恥ずかしい犯罪の実態について、隠すことなく書き出しています。家庭内の家族間のそう云った犯罪は隠されることが多いのですが、隠すことが犯罪を続けさせて、更には重大犯罪にまでも至って仕舞うのだと、明確に書いている。-----
“リアル”を教える同性の友人がいないと、“バーチャル(2次元)”しか知らず、異性への対処を間違ってしまい、それが犯罪を生むことに繋がることが多いとまで書いている。-----
少子化現象も問題であるが、その原因とも云える未婚者の増加は反転する様子もなく、経済不況と並走している日本では、未だに解決の兆(きざ)しが見えない。生物が本能的に持っている欲望を満たせなければ、社会問題が家庭から社会に向かって発生するのは避けられないのだと直言している本であると思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする