奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その937)

2019-03-19 08:15:00 | 奈良・不比等
北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「興福寺仏教文化講座(第420回/2019.3.9)」を受講した。第1講は呉座勇一(国際日本文化研究センター助教)氏の“応仁の乱と興福寺”、第2講は近本謙介(名大准教授)氏の“春日権現験記絵における夢と託宣~境界をかたる霊験伝承の位相”であった。どちらもあっと言う間の、50分、90分であった。-----
呉座勇一氏は自身のベストセラー“応仁の乱~戦国時代を生んだ大乱(2016)”のあらすじを著者自ら語って下さった。-----
近本謙介氏は“南都を巡る宗教文芸の世界”の最終講として、1年間(12回)に亘って講義されて来た中で、何回も登場した“春日権現験記絵”の深い理解を与えるべく、聖俗不二の世界を生きるのだから、学侶も一歩間違えば天狗に身を落とすことになるのだよと、至極分かり易い卑近な表現で、書かれているのだと、素人にも分かり易く解説して下さった。-----
“春日権現験記絵(1309年に春日大社に奉納)”は、解脱上人貞慶(1155~1213)の著作を元にして制作されていること。また、貞慶の語り口には夢や託宣を使って、神や仏の登場を演出していること。一旦、夢物語が絵物語として制作されると、繰り返し語り継がれて、それは人々の心の中に本当であるかのように染み込んでいったのだろうとお話しになった。宗教文芸はそのようにして布教の道具となる。世俗だけでなく、聖人でも慢心はいけないと言うのが、春日曼陀羅の教えた処であると、結論付けていると。更には藤原氏のように日本を支配すると言うような思い上がった気持は、よくよく自省の心を忘れてはいけないのだと強調しているとのことでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする