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悪性インフレの危険性

2016年03月28日 17時48分43秒 | Weblog
日本経済状況には、悪性インフレが発生する危険性が潜んでいる。

それは、日本銀行が現金をバラ撒いている異次元金融緩和が原因ではない。
 日本銀行が目指しているのは、資金流動性を上げることで、消費活動・投資活動が活発化し、結果として物価の上がる「需要」牽引型のインフレだ。 これは発生しない。残念ながら、日本銀行の金融緩和規模が小さすぎる。日本銀行が金融緩和を通して押し上げられるインフレ率は、高くても2%程度だろう。



 日本経済に潜んでいる「悪性インフレ」の病原は、下記の二つである。
1.生産設備老朽化による生産効率・生産量の低下
1.労働人口減少による生産能力の低下

つまり、日本経済は「供給サイド」に問題を抱えており、これが悪性インフレを発生させる可能性が高い。3年後、もしくは4年後、東京オリンピック前後で悪性インフレが発生する可能性がある。


 対策は、単純明確である。上記二つも問題点を解消することで、十分な生産能力・供給能力を確保すればよい。具体的には、下記のようなことである。
1.補助金をバラ撒いて、生産設備更新をすすめる
1.補助金をバラ撒いて、無人化技術をすすめる
1.補助金をバラ撒いて、省エネルギー化をすすめる
1.補助金をバラ撒いて、再生エネルギー導入、リサイクル技術革新をすすめる


 つまり、将来的に危険性のある悪性インフレを防止するためには、日本銀行にさらに資金供給を進めてもらい研究開発投資を進めて、設備更新・無人化技術開発・脱輸入資源に向かう必要がある。


 しかし、悪性インフレ化で適切な金融「緩和」政策をとることは可能だろうか?
私は、難しいと思う。 歴史的に、日本の経済政策は間違いを犯すことが多い。

 悪性インフレは「供給サイド」の問題として起きる。しかし、時の政治家が「需要サイド」の問題だと勘違いをした場合、必要な金融緩和政策がとられないばかりか、間違った金融引き締め政策がとられる恐れがある。



 東京オリンピックの前後に、悪性インフレが起こる危険性がある。悪性インフレは、供給サイドの問題で発生する。悪性インフレを防止するためには、一段の金融緩和が求められる。
 しかし、悪性インフレの原因が、需要サイドの問題だと勘違いされる恐れがある。その場合、金融引き締め政策がとられ、悪性インフレが加速する危険性がある。 歴史的に日本銀行は金融政策を間違えることが多い。最近の例では、白川総裁の問題がある。白川総裁の政策が引き起こした「白川デフレ」から日本経済は未だに脱却できていない。