21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

高速鉄道のフルパッケージ

2015年09月30日 11時06分56秒 | Weblog
 インドネシアでの高速鉄道計画受注に、日本は失敗した。 インドネシア政府が費用・責任負担を嫌ったためらしい。

 高速鉄道開発を「フルパッケージ」で進めれば、民間資金のみでの建設が可能だ。
しかし、縦割り行政中心の日本では、横断的にフルパッケージを提案することができない。 柔軟性に長ける中国の後塵を拝することになる。

 現地政府にしてみても、インフラ(建物・設備)だけを売りつけるところに依頼するよりも、フルパッケージで経済発展を後押ししてくれるところと組みたいのは当然だろう。

 鉄道を中心にフルパッケージで不動産開発をしている民間鉄道会社は多い。 現地で、1億人を超える人口(潜在消費者)を考えれば、フルパッケージが生み出す利益のみで高速鉄道開発は十分に可能だ。 日本政府は今回の失敗を反省して、今後は民間のノウハウを活用して、海外での高速鉄道開発・高速道路開発を進めるべきだ。


 鉄道開発の「フルパッケージ」には、少なくとも下記が含まれる。 似た発想は、高速道路開発でも利用される。

*電子マネー (スイカなど)
*商業ビル開発 (駅ビル、オフィスビル、ホテル、映画館、美術館等)
*湾口開発 (国際物流)
*テーマパーク・競技場 (東京ドーム、甲子園など)
*観光向け利用 (九州ななつ星、等)
*高速ネット通信サービス (鉄道建設に合わせて、光ファイバーも整備する)

*鉄道網整備
*鉄道網の保守・点検
*鉄道運行管理
*技術者・従業員の育成



車両や鉄道を「売りつけるだけ」の日本型営業姿勢では、高速鉄道導入を検討している地域から理解を得られることは少ないだろう。 多くの発展途上国は、フルパッケージでの地域経済発展を求めている。