21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

2030年に1000万世帯に太陽光発電

2011年05月30日 21時01分21秒 | Weblog
「2030年までに発電コストを今の6分の1にして、全国1000万世帯に太陽光発電を付ける」って言ったらしい。

目標が大きいのは良いことだ。

ただ、
「発電コストを6分の1にして」
って言わなくて良かったんじゃない?

自動車やパソコンだったら、ないと生活が不便になったりするから、
「今後10年で燃費が6倍になります」
とか言われても、
「今後10年で値段は6分の1になります」
とか言われても、
とりあえず、「今使う物」を買うけど、


「太陽光発電」ってのは、不要不急なものだ。
なくても生活して行ける。

しかも、パソコンや自動車は企業用にリースをしている会社があるけど、太陽電池だと聞いたことがない。

「10年後には、発電コストが6分の1になります」
って言われたら、とりあえず、買うのを10年我慢する。

せめて、リースをするところがあれば、しばらく借りて、後から新型を買うことも考えるけど、リースしているところなんてないし。



国民の大多数が、「6分の1になるのを待とう」と思ったら、今日買う人がいなくなって太陽光パネル・ビジネスは成り立たなくなる。

結果として、太陽光パネルの量産設備も生れず、価格下落も起きず、1000万世帯の目標は未達に終わる可能性が高い。「6分の1」になってから、買う人がいきなり増えても、リフォーム業者が対応できない。

「2030年までに1000万世帯に太陽光パネルを設置する」
だけにしとけば良かったのに。


将来的な支援策を期待させながら、今買う人を増やせれば、売上が伸びる。企業は増産体制を整えられるし、量産効果で価格も下落する。性能向上に回せる資金も増えて、技術革新も起きやすくなって、もしかしたら1000万世帯の目標を達成できるかもしれない。リフォーム業者や配電業者の技術が向上することは言うまでもない。



「発電コストが6分の1になる」まで待とう。って、大多数が考え始めたら、この目標は達成できない。
人の「感情」を理解していない演説だ。



「正しいこと」(と自分が信じていること)をしていれば、いつかは認められる。って夢を見てる。
人間が冷静に物事を考えることはナイ。人間が正しい判断をすることも稀だ。
人は感情に流される生き物だ。そして、間違いを犯す生き物だ。「人」を理解した政策が求められる。


原子力発電の危険性を考えたら、太陽光発電に比重を移すことは重要だ。
コストが高くとも、太陽光発電を導入すべきだ。(安い電力のために原発を建てて、爆発されて死ぬぐらいなら、高い電気代を払ってでも、太陽光発電を拡大して欲しい)

だからこそ、聞きたい。「6分の1」にする必要はあるのか? 「6分の1」になる必要はあるのか?
今のままのコストでも、日本人の支え合う心に訴えることが出来れば、十分に「1000万世帯」の目標は達成できるのでは?

 例えば、「1日缶コーヒーを1杯我慢する」、「一駅分歩いて、交通費を節約する」、「お菓子を一つ我慢する」、「タバコの量を減らす」、「晩酌の量を減らす」とかして、1日100円を節約する。そんな人が、6000万人(人口の半分)いたら、100円x365日x6000万人=年間2兆1900億円になる。
 もし、毎年2兆円を太陽光発電所の建設に投資できれば、発電コストが6分の1にならなくても、原発を廃止できる。
 募金を2兆円も使うわけだから、個人の家「1000万世帯に」と言うのは無理かもしれないが、日本全国の小学校、中学校、高校、大学、役場に裁判所を太陽光パネルで覆うぐらいは簡単だろう。





有権者の持つ不安や期待に答えられる「感情のある」政策が求められている。


俺は新聞を読んで、「太陽光発電のコストが6分の1になる」なら、今は買わずに、それまで待とう。って思ったね。