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日伊声楽コンコルソ2次予選

2019-06-18 06:39:28 | 音楽
6月17日(月)の昼に九段上のイタリア文化センターで、日伊声楽コンコルソの2次予選を聴く。東京、関西で開催された1次予選の通過者が23人集まった。一人11分以内に、オペラのアリアを1曲と、歌曲を1曲歌う形式。人数が多いので午後1時に始まり、15分間の休憩二回を挟み、午後5時ごろに終了した。このうち7人が東京文化会館の小ホールで行われる本選に臨むことになる。本選では、オペラのアリアを2曲と歌曲を1曲歌う形式で一人15分だから、2時間程度に収まってしまう。本選では結構聴衆がが集まるが、予選ではパラパラといるだけで、聴衆は少ない。

参加資格としては18歳以上ということだけで上の年齢制限はないので、参加者は30歳代が多いように見うけられた。23人のうちソプラノが12人で最も多く、メゾ・ソプラノは一人だけ。男性ではテノールが二人、バリトンが4人、バス―バリトンが3人、バスが1人といったところ。昨年の本選を聴きに行ったら、ソプラノばかり聴かされたので、今回は二次予選を聴いたら、男性陣も多く良かった。

今回が55回目となる伝統のあるコンクールだけに、二次予選では結構レベルが高く感じられた。イタリアの歌のみで選考するということ、上の年齢制限がないことから、可能性ではなく、コンクールの時点での歌唱で評価されるのだろうが、なんとなく選考基準がはっきりしない感じもする。イタリアの歌といえばやはりオペラのアリアが中心で、オペラへの出演を考えるならば、歌劇場で歌えるだけの声量を持たないといけない気がするが、2次予選参加者の7~8割は声量が足りずに四畳半で歌曲を歌うにはいいがオペラはどうかと思わせる感じを受けた。

既に2次予選通過者7人の結果発表が行われたが、結果から見るとこのコンクールが声量をあまり重視していないことがよくわかる。評価項目としては、声の質、声量、イタリア語のディクションの正確さ、音程、息継ぎ、テクニック、感情表現など、いろいろな点が評価されると思うし、審査員には専門家が並んでいるので、きちんと審査がなされているとは思うが、何を重視して、どういう基準で選ぼうとしているのかは、もう少し明確にした方が良いのではないかと思う。

昨年も、能力の高い人が二次予選で落ちていたし、今年も断トツで素晴らしい歌唱を見せた人がやはり落ちている。専門家から見ると観点が違うのかなあと、首を傾げた。

歌われる曲は、バロック時代の物は皆無で、ドニゼッティからプッチーニまでという感じ。具体的にはドニゼッティ、ベッリーニ、ヴェルディ、プッチーニで、意外なことにロッシーニのアリアは一人もいなかった。ロッシーニはやはりテクニック的に難しいから避けるのかなという感じ。

伴奏のピアニストは歌手が連れてくることになっているので、伴奏者も歌手と同じだけいることになり、歌手だけでなくピアノの個性も結構面白い。もちろん歌手が審査対象だろうからピアニストの演奏は審査対象外だろうが、バス―バリトンの伴奏をしたピアニストの一人が力強い伴奏で、ピアノに聞き惚れてしまった。

ちょうど夕方になったので、スーパーで買い物をして家で食事。タコのガルシア風。タコのから揚げ、ブリのカマのグリルなどを作り、シェリー酒、ヴァン・ムスーなどを飲む。タコはスーパーでは蒸しダコしか売っていないが、空揚げなどは生の方がおいしくできるので、是非、生ダコも扱ってほしいものだ。

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