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リッカルド・ムーティによる『アッティラ」の作品解説

2024-09-04 11:16:36 | オペラ
9月3日(火)の夜に代官山の東京音楽大学TCMホールで、「リッカルド・ムーティによる『アッティラ」の作品解説」を聞く。午後7時開演、休憩なしで終演は9時10分頃。TCMホールは、初めてだったが、400席程度の小さなホール。どこの席からも見やすい印象。満席で、比較的若い年齢層だった。

「作品解説」となっているが、最初に30分ぐらいムーティが作品説明した後は、オーケストラと歌手を指導する練習風景を見せる形。『アッティラ』はヴェルディの初期の終わり(中期の前)に書かれた9作目のオペラだが、見たことのない作品だったので、事前に手元にあったビデオで予習して臨んだ。

ムーティの解説はイタリア語で、同時通訳のイヤホンが貸し出された。最初にこの作品が書かれた19世紀中頃の時代背景の説明もあり、イタリアのリソルジメント運動と関連していることがよく分かった。続いて、登場人物の描き方、音楽的な特徴についても触れた後、実際のオーケストラを使った練習に入った。

最初はオケだけでプロローグを練習。その合間に、プロローグというのは「ローグの前」というのが語源で、芝居の前なのだから、音楽だけで語らなければならないと強調した。これは最近のオペラが演出中心になり、序曲などの間も音楽だけでなく芝居を見せる傾向を批判したもの。本人の弁によると、現代的な演出が嫌いなのではなく「馬鹿げた」演出が嫌いなどだと語っていた。

次いで歌手が呼ばれてステージに上がり、アッティラの王(バス)とオダベッラ(ソプラノ)の出会いの場面を中心に、歌入りで練習。オダベッラ役の土屋優子が水を飲もうとすると、「飲むな、飲むな」とムーティは止めた。その後はユーモアを交えて、カラスやカバリエなどは、決してペットボトルの水などを飲まなかったし、指揮者も飲まないのに、最近の歌手は、他の人が歌っている間にもこのように水を飲む、と実演して笑わせた。第九のソリストが第3楽章の前に入って来るのも強く批判したし、歌手が指揮者よりも客席側に立って、アイコンタクトできない位置で歌うことも気に入らない様子だった。

水を飲むなと止められた土屋優子だが、歌声は素晴らしく、聞きほれたが、ムーティも気に入ったようで、頭をなぜて褒めていた。

ムーティはもう80歳ぐらいだが、2時間以上も立ったまま喋りっぱなしで、指揮をして、とてもエネルギッシュだった。話も面白く、お茶目な印象で、とても面白い作品解説だった。

天候が不安定だったので、家にまっすぐ帰って食事。ガスパチョ、トマトと紫玉ねぎのサラダ、ソーセージ、チーズのせマフィンなど。飲み物はイタリア産スプマンテ。

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