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N響+アリス・紗良・オット

2023-12-08 11:07:10 | 音楽
12月7日(木)の夜に、サントリーホールでN響のコンサートを聴く。演目はハイドンの交響曲100番、リストのピアノ協奏曲1番、レーガーのモーツァルトの主題による変奏曲とフーガ。指揮はファビオ・ルイージ、ピアノはアリス・紗良・オットだった。9割弱の入り。

常任指揮者のファビオ・ルイージは、端正な指揮で好きなのだが、3か月に1回ぐらいしか振らないので、今回は貴重なコンサート。最初のハイドンの交響曲の音が鳴り始めた瞬間から、美しい世界に誘われたような気分で、とても良い演奏だった。特に、第二楽章で太鼓やシンバルが入る部分も、上品さを失わずに格調高い響きを出して、さすがにルイージは違うなあと改めて感心した。

続く、リストのピアノ協奏曲1番はアリス・オットのピアノだが、初めて聞くのでどんな感じだろうと思ったら、飛び跳ねるように舞台に登場した。朱に近いような赤いパンツドレスだったが、驚いたのはなんと素足で飛び跳ねていたことだ。一瞬、イサドラ・ダンカンの再来ではないかというような気分になった。素足でペダルを踏みながら、大きな手でリストを弾く様子は、「自然児」といった印象で、きらびやかなだけでない、美しい音楽を奏でた。ルイージの指揮ともピタリと合い、まさに「名演奏」という言葉が当てはまる。観客席も熱狂して大きな拍手が鳴り響いたが、アンコールではエストニアの現代作曲家の曲を弾いた。アンコールを始める前に、流ちょうな日本語で「リストは音が多かったので、音が少なく、空白を楽しむ曲を弾いてバランスをとる」と説明して弾いたが、とても美しい音の響きを感じた。不思議な魅力を感じたが、皆同じ思いだったらしく、休憩時間には臨時のCD売り場におじさんたちが群がり、争うように買い求めていた。

後半はレーガーによるモーツァルトの変奏曲。今年はレーガーの生誕150年にあたるとのことでの選曲だが、N響の響きとルイージの指揮がうまく合い、楽しい演奏だった。先月のN響は低調だったので、気を落としたが、今月はとても気分が盛り上がり、聴いてよかったと思った。

帰りはいつものスペインバルで軽く食事。生ハム、トルティージャ、ポテトサラダ、イワシのエスカベッシェ、生ハムのコロッケ、ラムの心臓のアヒージョなど。飲み物はワイン各種。

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