アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

勇気ある人々

2014年07月23日 | つぶやき
イスラエルによるガザでの蛮行が拡大している。
これに伴い、死者も日を追うごとに増え続けている。一日も早く、国連等が介入して停戦を実現しなければならない。



これがガザの現実だが(大きな写真)、東京のイスラエル大使館前では、勇気ある人々が抗議の声をあげている。



これらの声は、集会の大小はあっても共通する声だ。


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すぐれた作品~渡辺淳一著「無影燈」

2014年07月23日 | この一冊
本年4月30日、作家で医学者でもあった渡辺淳一氏がお亡くなりになった。満80歳。

同氏は、同衾中の青酸カリ自殺を扱った「失楽園」や、絶頂時の依願扼殺を描いた「愛の流刑地」など、シリアスなテーマと濃密な愛欲描写で話題となった作品で広く知られています。

しかし、これらの話題作は同氏の著作の一部であって、評価を決定付けるものではありません。つまり、これらの話題作より、むしろ伝記小説やデビュー初期にすぐれた作品を見ることができます。

例えば、小生の記憶にある伝記小説を上げて見ると、

・「光と影」総理大臣寺内正毅をモデルとした直木賞受賞作
・「花埋み」日本最初の女医、荻野吟子の生涯
・「遠き落日」野口英世の赤裸々な生涯を描いた作品
・「女優」新劇女優松井須磨子と演出家島村抱月との灼熱の恋
・「君も雛罌粟我も雛罌粟」情熱の歌人与謝野晶子と鉄幹夫妻の生涯
・「静寂の声」明治天皇に殉死した乃木希典夫妻の生涯

等があり、いずれも同氏独自の視点から、偉人たちの生涯に迫ったすぐれた作品となっています。



この「無影燈」も初期の作品です。
小生が手にした単行本は、1972年の発行となっていますから、42年前の作品です。

物語は、T大講師の経歴を持つイケメン外科医が、個人病院の勤務医として辣腕をふるいつつ、看護婦や病院長の娘やその愛人や、果ては奥さんから言い寄られつつ関係を持つ一方、患者の治療や末期医療に対する医者のスタンスはどうあるべきか、など現代にも通じる問題にも立ち向かって行きます。

また、ストーリー建ての巧みさ、語り口の軽快さなどで読者を引き付けエンターテイメントとしての小説の面白さを実感させてくれます。

文庫にあるようですから同氏を再発見する意味で一読をお勧めします。
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