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Janis Joplin/Ball and Chain/Monterey

2017-08-17 20:57:56 | youtube
今日付けで上のインフォメーション・ページに貼ってある動画は、
1967年にアメリカのモンタレーで行われたポップフェスで歌うジャニス・ジョプリン。

ジャニスは同年にバンドのヴォーカルとしてデビューしていたが、
このフェスでのパフォーマンスにより全米から注目されるようになる。

曲はたしかビッグママ・ソーントンがオリジナルの「ボール・アンド・チェーン」で、
ジャニスのブルージーな歌唱法が
ソーントンから強く影響を受けていることがよくわかる。

曲の終りにママス・アンド・パパスのキャス・エリオットが
ぶっ飛んだ様子で思わず呟いている映像が残っている。

ジャニスの最初のこのバンド、Big Brother and The Holding Companyの、
粗い演奏が私はけっこう好き。

私はそんなにジャニスに詳しくはないが、感想としては、
このライブのテイクは喉の調子があまり良くないと思う。

調子が悪いのか、彼女自身がまだそんなに声が出る能力段階ではなかったのか、
もう無理無理シャウトしているという感じで、
この後に出るアルバム「チープスリル」から始まる圧巻の歌唱とは質が明確に違う。

このフェスには、前年にイギリスで衝撃的なデビューを果たしたジミヘンが
凱旋帰国としての演奏をフェスのトリに行っている。

やはりイギリスから来たザ・フーのピート・タウンゼントがジミのところへやってきて、
「オレたちは楽器を壊すしかないんだからさ、先にやらせてよ」と頼んだとか。

イギリスに渡ったジミヘンの演奏を初めて聴いたジェフ・ベックが、
圧倒されて廃業を考えたというほどにジミのテクニックが革命的であっただけでなく、
加えて歯で弾いたり、ギターを壊すパフォーマンスまでもジミは行ったので、
同じ破壊芸で名を売ってきたタウンゼント(もちろんバンドは一流)が
先に演奏したい、先にギター壊したいと思ったのは当然で、
結局、ザ・フーはジミより先に演奏しギターも壊したが、
後にステージに上がったジミが演奏の最後に今でも語り種になっている
ギターにジッポーオイルをかけて燃やすというパフォーマンスを見せたため、
軍配はどうやらジミに傾いたとか、傾かなかったとか。
その映像を見ると観客はだいぶ引き気味ではあるが。

燃やされた悲劇のギターはその後、なぜかフランク・ザッパの手に渡り、
ザッパはそれを直して、しばらく使ったとか、使わなかったとか。

ジャニスにしてもジミにしても、
それまではふたりのように歌う、もしくは演奏する、ということがなかった。

白人女性がブルースコンプレックスも露にシャウトするなどということはなかった。

カントリーやハワイアンのための楽器であったストラトキャスターで
あんな爆撃機のような音を出す人もいなかった。

トレモロアームにしても、それを考え出した人がジミの使い方を見て、
「そんな使い方をする為のもんじゃない」と激怒したとか、しないとか。

時代時代に突如、ある才能が爆発的に噴出し、進化を一気に進めてしまう。
才能のやりたいことと、他者の見たいものが合致し、それは
受け手の希求や期待よりも少しだけ前にあり、
大衆の理解を得られる範囲で革命的である場合、また、
それが作為的でない時、たとえ一瞬の輝きであったにせよ、
多く人の心に残り、いつまでも人はそれを語ることをやめないのではないか。

以上、曖昧な記述の部分は私が当時それを目撃したわけではなく、
どっかで読んだことばかりだから。
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