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夢の羅列<女になったフジイ> 20170716

2017-07-18 20:48:19 | Dreams
夢の羅列<女になったフジイ> 20170716


店番をしていると男がやってきた。

どこかフジイに似ているな。

フジイとは、昔の知り合いだが、とてもいいやつである。

やってきたフジイ似の男は、フジイ本人のように全体的にもっさりとして、
短髪ではなく長髪でもなく、眉毛が濃くて、
縁の黒いメガネをかけて、何色ともいえないポロシャツを着て、
商品と札束を一緒に私に手渡した。

うちの商品をこの札束で買う、ということなのだろう。ところが、

その札がどれも年代物のようで、皆サイズがバラバラでやけに大きく、
画用紙に印刷をしたかのようにゴワゴワで、壱十圓とかの額面なのだが、
その子供の落書きを束にしたような札束の価値を私はまったくわからなかった。

「責任者がいないので、これで支払いはムリだね」

私がそう言うと、フジイは少し困った顔をして、何かボソボソと呟いた。

あ、買い物は普通に支払って、この札束は骨董扱いで買い取って欲しい、ということか。

いや、しかしいくらで買っていいかまったくわからないからこれもやはり無理かな。

「えっ、250円でいいって?」

うーん、この札束を250円ね。あんまり価値がなさそうに見えるけど、
まあ250円ならオレが払っておけばいいから、さてどうするか。

するとフジイは外に飛び出して、道に何台か停まった車の先まで走ってゆき、
コンクリートの塀の下に設置された棚の扉を開けて、何かを手に取り、店に帰ってきた。

ところがフジイはなぜか<天パー黒髪ロング>の女に変わっていて、
息を切らせながら私に、250円分はこのサラダ油で下さい、と言った。

フジイが女に変わってしまっても、まあ夢の中のことなので私も驚かず、
「いやー残念。それは隣の工場の備品だから、うちのじゃないんだよ」と断った。

女は少し悲しそうにサラダ油を戻しに外に出て、また違う扉を開けた。

「おーい、そっちは全部工場の備品置き場だから、扉を開けるんじゃないよ」

そう声をかけながら私は狭い店の入り口にいて、
20メートルほど先であちこちを開けるフジイ似の男だった女を見ている。

おわり。
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