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夢の羅列<階段>

2015-07-08 19:09:12 | Dreams
夢の羅列<階段>


夢の中で、
薄暗い住宅街の道を歩いていたら、
対向車が急に左折を始め、私の進行方向を塞ごうとした。

車の右フェンダーあたりと私とが「おっと」という感じになり、
危なかったので、私は運転手を睨んだ。
どうやらインド系が濃い顔立ちであった。

すぐに下がるかと思ったら車はジリジリと曲がってきたから、
私もさらに気分を害し、開いた窓ごしに文句を言おうとすると、
ハンドルを握った男は臨戦態勢というより、ひどく不安そうな面持ちで、
なんだか車のコントロールがうまく出来ないのか、
私の方などまったく見ずに悪戦苦闘している様子だった。
おいおい、ただ左に曲がるだけなのに。

私は、これは危ないな、と思い、すぐに私の方から下がり、車を迂回した。
その後何回か振り返ってみたが、
その度に車は何度も切り返しをしていて、しかし曲がれずにいた。

しばらく歩くと家に着いた。

家というよりも、アパートだった。
木造の洋館で、敷地は広くはなかったが、上に高かった。

玄関から入ると建物の真ん中が吹き抜けの階段で、
軋む音を聞きながら上がっていくと、
吹き抜けの両側にそれぞれ小さな部屋が階ごとに造られていた。

本当に小さい部屋だった。
4畳半、もしくは3畳ほどしかないようだった。
部屋の造りの変わっている点は、どの部屋も吹き抜け側が壁ではなく、
一面大きなガラス張りになっていることだった。

私が階段を上がる途中、
見上げた2階の西側の部屋の住人であろう女の影が家具の合間に見えた。
帰宅したばかりなのか影は動き回っていて、まだ落ち着かない雰囲気があった。

ふーん、狭そうだな。
などと思いながら階段を折り返し今度は反対の東側を見ると……、
真正面に全面ガラスだから目に入らざるを得ない。
……見ると若い男が寝ていた。

階段を2階に上がり切るとよく見えた。
こちらも同じく狭い部屋で、
古風に雑然とした部屋の真ん中に木製のベンチが置かれ、
痩せた男はそこに横になっていた。

そんなに若くもないか。
だいぶ疲れている様子だ。ぐっすりと寝ている。
よく寝て、疲れが取れればいいのだが。

そう思いながら私は階段をさらに上がっていくのだった。
やっぱり軋む音を聞きながら。

End




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