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ジャングルテイストグー

2016-06-12 16:30:12 | コーヒー
つづき。

「悪くない」

これは私の中ではかなり上の部類に入る表現である。

私は常日頃、コーヒーに対してどんな味を求めているのかというと、
それはピーンと張りつめた、静寂に音叉を鳴らしたような干渉波のない、
つまりは、研ぎすまされた味である。

ところが今回、出てきたコーヒーはまるで真逆の
ジャングル味というか、コーヒー豆丸ごととは前に書いたが、
全ての味の成分が混沌とカップに存在しているため、そこで
急いで飲まず、ひと呼吸置いて、層を作ってから飲み始めると、
味の違い、変化が楽しめ、しかも豆の個性をどの抽出方法よりも感じ易い。
ということに気がついた。

だからフレンチ・プレスについてよく言われることだが、
「嫌いな人はとにかく嫌い」「好きな人はなにしろ好き」
この言葉はいかにも妥当であろう。なぜなら、
この抽出方法の欠点でもあり利点でもある<濁り>を許容した時に、
磨き抜かれた味を求めたコーヒーにはない深みや広がりが現れるからだ。

わかり易く例えるなら、
日本酒における大吟醸とドブロクとの違いに近いかもしれない。

まずコーヒーというものは「慣れ」が味覚に多分に影響することを
再確認、再認識しておきたい。

普段、浅煎りを軽く仕上げたコーヒーを飲んでいれば、
深煎りフルボディの苦さとコクは苦手以上に異質を感じるかもしれない。

逆に、深煎りを日常で愛飲していれば、
浅煎りの酸味を全面に出した今風のコーヒーをなんだか物足りないと感じるだろう。

その相対性の流れでいえば、
研ぎすまされた味を求めている私に対して、
今日、研ぎすまそうともしない味が出てきたのだが、それを
私は「悪くない」と結論づけた。なぜか。

帰り道、そのことだけを考えていたのだが、
結局のところ、焙煎の技術が高いということだろう。

つづく。
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