EVOLUCIO WORKS INFO

EVOLUCIO WORKS INFORMATION

20230820 何もございません。

2023-08-20 17:50:27 | 本の要約や感想
20230812(以下の文章を書いた日付)

先日、小説「丹下左膳」(林不忘)を読んでいるとここに書いたが、それを読了しないうちに吉川英治の「平の将門」を読み始め、今朝方読み終わった。

平将門というと日本三大怨霊のひとりに数えられ、神田明神や大手町の首塚で有名だが、私はそれほど詳しくはなかったので、一度彼の略歴をざっと頭に入れておきたいと思っていた矢先、その小説仕立てが見つかったから読んでみた次第。

平将門は西暦900年ごろに今の千葉北部に生まれた。
桓武天皇の血筋で、父は土地の豪族。
将門は若い時には相馬小次郎と呼ばれた。
15歳くらいの時に上洛(京都)し働いたが、
あまり出世の道が見えず、30歳になる前に国に帰る。

帰ってみると故郷(下総。千葉北部にあった)はすっかり没落していた。
父の代で築いた広大な領地や馬や財産のほとんどを
叔父たちに騙し取られていた。
それから数年は死に物狂いで働き、武力を蓄えた。

自分の嫁とりなどの諍いも重なり、
常陸、今の茨城の豪族や叔父たちとの恨み骨髄の戦いが始まる。
将門はこの小説では領地の民から人気があったため、
戦いでは多くの民が将門側に立ち、最初は圧勝。
妻子もでき、幸福な日々。
しかしそれも続かず、また戦い。
ついに妻子を殺され、将門怒髪冠を衝く。

当時の都(京都)の不安定さや、
四国地方で起こった度々の乱などもあり、
それらの影響で関東地方も安定しなかった。

小説では、
四国で乱を起こしている勢力と、
将門の関東の勢力が同時に京都に攻め込むことを
画策している将門の側近も登場する。

関東と京都を行き来する敵側の謀略によって、
朝廷にとって将門は
関東にある朝廷の領地を荒らす謀反人である
という認識が出来つつあり、
都の軍隊をいつ将門征伐に向けるか時間の問題であった。

一方将門側では、
いっそ将門が関東(八州だか十州)を一つにまとめれば、
都もそう易々と手は出せないだろうという意見が出始める。

そのうち将門は(小説では)新天皇であると担ぎ上げられてしまい、
正統な血筋でもあったため、逆に都の真の脅威朝敵となり、
勅令を受けた軍勢が征伐にやってくる。
将門はよく戦ったが、
飛んできた矢が頭に刺さって絶命。38歳くらい。

といった平将門の略歴でした。
あくまでも小説でのことです。
詳しくは調べてください。吉川英治「平の将門」

この小説で将門は、
田舎生まれの、のんびりとした性格。
純粋愚直で人を騙すことを知らず、だからすぐに騙される。
畑仕事を厭わず、馬にでも乗っていれば幸せ。
領地の民を大事にし、情けもあり、
敵の妻や妾を部下が捕らえてきても放してやったりする。
ただしひと度怒れば鬼神のように恐ろしく強い。
だから読んでいると、
あぁまた騙された、とか、
そこで気を抜かないで、などと思うことしきり。

矢が刺さって死んでから、首は京都に送られて、
さらし首になったが、首は夜な夜な喋って笑い、
そのうち身体を探して首が飛んでゆき、
関東に落ちたところが……。
というような怨霊伝説は小説になかったので、
ここでは言及しません。

大手町の首塚。
私も去年に手を合わせに行ったが、
あそこは呪われることも覚悟で行きなさいとのこと。
改築してきれいになっていたが、
以前の方がそれらしかった。
まあ首のご本人がどう思っているか知らないが。

成田空港。
おそらくあの空港も1000年以上前には、
将門の領地だったのではないかと今ふと思った。
あんなところに空港はいらなかった
という意見は多いが、私も賛成で、
結局利権のための空港建設だったのだ。
「あんなところ」にはかつて御料牧場 があり、
私も行ったことがあるが、それはもう天国のような場所だった。

E V O L U C I O


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 20230819 短文ご注意 | トップ | 20230821 画像だけ »
最新の画像もっと見る