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11/30 <Tom Waits>

2019-11-30 21:14:28 | youtube



11/30

下のページに「ぱっとしない出来」と書いたが、この懐かしい映画のサウンドトラックのあれこれをあらためて聴いてみたら、このトラックはとてもよかった。

このトラックを私は聴いたことがなかったのか、記憶がなくなってしまったのか、しかしなんとなくアイルランド民謡調な感じで私は好きだ。一方、テーマの曲はジャズというかブルージーというか、そういった曲調で、いかにも作った感が好きではなかったが、このトラックは歌も演奏も気負いがなくてとてもよかった。

この映画「ワンフロムザハー ト」の製作中にでトム・ウエイツは今の奥さんのキャサリン・ブレナンと出会い結婚をし、そして彼女のアイデアをトムが膨らませ作ったのが「ソードフィッ シュトロンボーン」であったようなことをどこかで読んだ記憶がある。そしてアイランドレコード期の「怪進撃」が始まったのだが、それまで「酔いどれ詩人」 C.ブコウスキーのイメージが強かったトム・ウエイツは「レインドッグ」「フランクスワイルドイヤーズ」と一気に飛躍したのだった。

私もこの3作はよく聴いた。しかし、私はトム・ウエイツのサウンドイメージのある一面、なんというかガランガランした音というか、ドスドスというか、地下帝国の小人たちが大騒ぎしているような(わかる人にはわかると思う)あの感じとか、もしくはやたら不協和音を多用する不安定な曲調(マーク・リボーのギターは好き)などや、あとはトムのボソボソとした語りが続く曲など、それらが「かっこいい」ことはわかっていても結局は聴かないわけだが、しかしその一面があるからこそのトム・ウエイツであることもよくわかっている。

当時、私がMTVで初めて「インザネイバーフッド」のビデオを目にした時は衝撃を受けた。あの頃「あんなイメージしかもワルツ」で音楽界に打って出て成功したのは彼だけだろう。80年代の始めの頃だから、主流的なのを思い浮かべるとすればたとえばシンディ・ローパーやマイケルジャクソンのスリラー、そしてな んだっけ、あ、あれか、カルチャークラブか、そんな中に「ワルツご近所音頭」で打って出たわけだから私も驚くわけだ。他は娯楽で、彼のはアートの域であったことをまだ若い私でもよくわかった。今あらためて「インザ〜」を聴いてみたが、やっぱり名曲だな。彼の全作品で無理無理一番を選ぶしたら私はこれかな。千回聴いても飽きない演奏と歌と詞なのだ。

しかし、私がごくたまにどこかのカフェなどで「ボーっ」としている時に突然店内のスピーカーから「トムトラバーツブルース」が流れ出たりすることがあって、そんな時に私は「はっ」として聴き入ったりする。おやすみなさい。evolucio

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