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O Holy Night/Mariah Careyについて

2017-12-23 21:31:18 | youtube



普段、マライア・キャリーをまったく聴かないし、彼女の代表曲も知らないのだが、
この「O Holy Night」だけはこの時期になると毎年よく聴く。

いつも比較されたホイットニー・ヒューストンに比べて、
異なる発声法をいくつも持っているマライア・キャリーは曲中で声質を変化させ、
それがそのレベルの高さによってまったく嫌味に聞こえず、
あざとさのある表情ですら赦せてしまうのだ。

派手な演出のないゴスペル王道の演奏もシンプルである分力強く、
コーラスにいたっては、誰がこのアレンジをしたのか教えてくれれば、
私はその人に厚く礼を述べたい気持ちすらある。

観客もまさにブラックチャーチそのもので、
とくに子供たちの愛らしさや夢を見るような表情に毎年会うたびに、
この収録からおそらく10年以上経ったであろうこの子供たちは、
どんなふうに育っただろうか。幸せだろうか。などと考えてしまう。

黒人のアイデンティティを持ち、
ゆえに差別にも苦しんだというマライア・キャリーの
特別な思いの籠ったであろうこの曲を聴くと、
いや他のアーティストの曲を聴いても、
人はその固有のアイデンティティを持って表現をした時に
とくに素晴らしい高みに達すると思えるのは私だけではないはずだ。

マライア・キャリーのごく初期の歌を聴くと、
この人はけっして天才的な歌手ではなかったと私は個人的に思うが、
もちろん意見の相違はあるだろうし、後日に私見を修正する可能性もあるが、
おそらく、きっとこの人はデビューしてから相当にトレーニングを積んだのではないだろうか。

デビュー直前に収録されたらしい「America the Beautiful」を聴いても、
あの独特なホイッスル・ボイスは別にして、
それほど声量と高い声に自信があるようにも思えない。が、しかし、
この「O Holy Night」ではこのパフォーマンスである。

もちろん、歌と映像は別録りであるだろうが、
なにしろ歌っているは本人以外にはいないので、
私は聴くたびに毎回、曲の途中からついつい両手を握りしめてしまう。

とくに中盤からラストへの声の突き抜け感は、
その瞬間にだけ時空をも支配してしまったかのような小宇宙性があり、
声帯がというよりも、彼女の身体全体が鳴り響いているのだという
これはヴォーカリストとして到達可能の限界を聴いているのではないか、
そんなまさに感動を必ず毎回、毎回、毎回だ。私は感じるのだ。

ここまで書いて、そういえば以前にも同じようなことを書いた記憶を思い出し、
軽く検索をしたらすぐに判明し、ちょうど2年前の今日に書いていた。

読んでみたら、前回のシンプルな文章の方がよかった気がした。

まあいいか。

メリークリスマス。
コメント
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