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夢の羅列<港>20170503

2017-05-05 19:08:10 | Dreams
夢の羅列<港>20170503


夢の中で私は、これから車で山の急斜面を駆け上がろうというのである。

かなり急な未舗装路で、脇の大木の太い根がボコボコと露出して、
これは大変な事になったなと躊躇していた。

とはいっても登らなければならず、私は車に乗り込んだ。

もう迷わず行けよ、行けばわかるさ、ということで、
一気に上まで登ってしまおうと私はアクセルを吹かしクラッチをつなぎ発進した。

坂の上までは30メートルくらいだろうか、しかし半分までは一気に来たが、
そこからまたさらに斜面はきつくなって車のスピードががっくりと落ちた。
しかも自分の上半身をハンドルに強く押し付けるほど前にバランスをとらないと
車は後ろにひっくり返ってしまいそうなのだ。

勢いは止まったし、こんな未舗装でむやみに強くアクセルを踏めば、
ヘタをするとタイヤが滑ってスタックしてしまいかねない。

しかし内心ではこのまるで壁のような斜面をこれ以上登ることは
物理的に無理だろうなと半分諦めかけていた。

タイヤが地面を噛む能力と傾斜のバランスが崩れた時に車は停止するか、
ズルズルと後退するか、それとも一気にひっくり返るか、さてどうなるか。

そんなことを考えながら
私はタイヤが空回りしない程度にアクセルを調整することに集中した。

するとタイヤがけっこうなブロックタイヤなのか、しっかりと地面に食い込んで、
車は予想外に、もちろんゆっくりではあるがスルスルと登っていくではないか。
これには驚いた。

峠まで登りきってみると、案外と楽に登れたなという感想であった。

まあそれでも冷や汗かいたゼ、といった感じで私は車から荷物を降ろした。

今度はそれをキャリアーに載せて歩こうというのである。

山の中の整備された公園のような石畳の道を私はキャリアーを牽いて進んだ。

しかし、その石畳の道はアトラクションのように箱庭的な感じではあったが、
高低差があり、分岐ばかりで、これはとても辿り着けないだろうと私は半ば諦めていた。

とにかく目的地と全然違う場所にいるような気がしてならなかった。
まるで何度も同じ道を通っているような気がしていた。ところが、
まあとにかく歩けるだけ、進めるだけ行こうと歩いていると、突然、視界が開けて、
ドーンと港が一望出来る高台に私は出たのだった。

諦めはあっけなく消え去り、眼下に埠頭が広がっていた。

遠い国へと沈む陽は水平線に消えるその間際いっそうに燃え黄金を放ち、
それは光の水切りかのように無数に沖のさざ波を跳ね射して、
敷き詰められた黄玉の道標。
世界の果てに続く星の光河。
港には何隻もの船が薄明かりに浮かび、
その影はこの琥珀の町にまで長く重く伸びていた。

おわり。
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