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夢の羅列<夜の町にて>

2016-01-03 19:12:11 | Dreams
つづき。

リフトを降り、
小さな駅のような建物から外に出たら、
そこはすっかりと夜で、町のような佇まいだった。

一緒だった乗客たちはどこに行ったのだろう。
あの転げ落ちた女性はどうしただろう。
私はそんなことを考えながら夜を歩いた。

「追われている」
いや、逃げている、が正しいのか。
私は何かの犯罪で警察に追われていることを思い出した。

町には誰の姿も見えなかったが、
それだけに危険な気がした。
あの角を曲がったところに警察が待ち構えている気がした。

通り沿いの古い木造の建物に私は飛び込んだ。
店か。
誰もいない。

「なんだ、これは」

ほんの6坪ほどのカビ臭い店内には
引き出し式の棚がいくつも置かれているのだが、
古すぎるのか腐ったのか、
棚の左右どちらか片方が溶けたように縮んで
どの棚もひどく斜めになっていた。しかし、
その斜めになった棚の上にまた斜めになった隣の棚が
なぜかうまく、まるで名人が石を積んだかのように
ピッタリと合わさり、店内全体にパズルのように並んでいた。

「いくら古くてもこんなことにはならないよなぁ」

はっきりと木目が見えた。
溶けたように見えた側は、よく見ると圧縮されているようだった。

私は何かおかしいと感じながら振り向いた。

そこに老人が立っていた。

つづく。
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