青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

東映シネショップ ~映画ファンの玩具箱

2023-05-07 | 昭和の映画館

大阪駅前第3ビル・第4ビルを超え、大きな歩道橋を渡った場所、大阪キタ新地の手前にあったのが「梅田東映会館」でした。70~80年代ここには「梅田東映パラス」「梅田東映劇場」「梅田東映ホール」がありました。薬師丸ひろ子が「セーラー服と機関銃」の舞台挨拶で大騒ぎになったのも、「銀河鉄道999」が大ヒットを記録したのもここでした。

それらについてはリンク先に詳しく書いていますので、そちらをご覧頂くとして、今日のお話はその東映会館にあった「東映シネショップ」についてです。東映シネショップは、東映会館1階の1番左端にあった小さなお店です。梅田東映パラスの入口左にありました。

入口には他館で上映中の映画のパンフレットや、封切りが終わった作品のパンフレット、映画のポスターや当時人気だった映画のチラシ等を販売していました。無料配布のチラシを有料で販売するのはいかがなものかと思いますが、70年代後半は映画のチラシ集めが大ブームになっていました。勿論映画の前売り券も販売していました。コンビニの雑誌売り場の雑誌のように、パンフレットを並べて東映パラスの入口横で販売する。

ポスターやチラシは、宝くじ売り場のアクリル板を取り除いた程度の小さな窓口カウンターで、マニア達がクリアファイルに入ったチラシを何百枚と丹念に時間を掛けて吟味して買っていくのです。

営業中のお店を正面から撮影した写真が無いのが残念なのですが、上の写真の左側のシャッターが下りているお店です。シャッターを開けても店内に入る構造ではなく、宝くじ売り場や町の小さな金券ショップを思い浮かべて下さい。下半分はガラスのショーケースで、その上にクリアファイルが無造作に置かれているという具合でした。

この場所でリバイバル映画のパンフやチラシを見て、少しづつ買い集める映画マニアがどれほど大勢いたでしょう。今ではあの頃ほど映画自体に人気がないのが残念です。数年に1本であっても、映画は今でも名作を輩出し続けています。

この前を歩くと、上映中の映画の主題曲が流されていたのが耳に入って来ました。1976年にはバーブラ・ストライサンドの歌う「スター誕生・愛のテーマ」がいつも流れていました。僕が自分の視力が悪くなっているのに気が付いたのは、梅田東映パレスで「十戒」のリバイバルを観た時でした。いつもの座席から観ていた映画が、微妙にピンボケしているような気がしたのです。家に帰ってから家族に、映画について話していた時、何気なく言った「今日、映画のピントがちょっとズレてた気がする」の一言で、親に眼科に行くように言われ、そこで視力の低下が分かりました。眼鏡をかける・・・そのショックは今でも忘れられません。

 



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