1枚のハガキが送られて来ました。
東京は日本橋の「明治座」からのハガキで、切手のところには、
料金別納郵便「創業135年・明治座」と誇らしげに書かれています。
何のハガキかと思ったら、6月の芝居「剣客商売」の宣伝。
一体何を考えているのか?
俳優の藤田まことさん(75)が食道がんの治療のため、6月に東京の明治座で主役を務める予定だった舞台「剣客商売」を降板することが16日、分かった。明治座が発表した。明治座や藤田さんの所属事務所によると、藤田さんは、最近のどを食事が通りにくいという症状があり、3月半ばに大阪府内の病院で健康診断を受けたところ、食道に悪性の腫瘍(しゅよう)が見つかり、現在入院して放射線治療を受けている。今月末、その結果によって手術を行うかどうか決める予定で、舞台出演は無理と判断した。
これは16日の読売新聞のニュースです。明治座も発表に関わっています。ならば、どうしてこんなハガキを、その発表後に発送するのか!!
1.まだ降板を知らないファン1人でも多くにチケットを売りたい?
2.ハガキを刷りなおす費用を節約した?
僕はここに企業の動脈硬化を見ます。誰か1人が、このハガキの発送に待ったをかければ解決する問題です。たったそれだけの判断を出来ないから、今回のようにハガキが送られる。明治座はファンなら許すと思うのでしょうか?いえ、何も考えず、係りの人が、決定済みの予定通りに仕事をしただけなのでしょう。
こういうハガキは止めてほしかった。一体何人の人が明治座に問い合わせの電話を入れることになるのでしょう?送るなら、チケット購入を済ませながらも知らない方の目に止まるよう、「降板」のお知らせであるはず。創業135年の企業ならばこそ、動脈硬化を起こし、ハガキの発送を止めるという「当たり前の判断」を遅らせてしまったのではないでしょうか?
16日の時点で明治座のホームページには
「平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。突然のことではございますが、当座6月公演、池波正太郎原作「剣客商売」に秋山小兵衛役で出演を予定しておりました藤田まこと丈が、急病のため降板することとなりました。皆々様には心よりお詫び申し上げます。つきましては、代役といたしまして平幹二朗丈が出演いたします。何卒ご理解並びにお引き立ての程、宜しくお願い申し上げます。
株式会社 明治座」
と、お詫びが掲載されています。新聞に載っていない代役までが既に掲載されている。にも関わらず、
「このようなハガキをお送りしてしまい・・・・」というお詫び文は今日現在まだアップされていません。喪中の家にうっかり書いてしまった年賀状を、もったいないと送ったのと同じような行為は本当に情けない。明治座の責任者の耳にはこういう事件が入っているのでしょうか?12,000円もするチケットの払い戻し案内もHPにアップされていないことは、言うまでもありません。