青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

トム・クルーズと珪藻土バスマット

2018-07-09 | こんな「モノ」ありました!

このたびの豪雨で被害を受けられた方々に、心からお見舞い申し上げます。

僕の住む町の一級河川でさえも、危険水位にまで水が来ていました。さすがにこれには驚きました。あの川が決壊したらどうなったか、僕には想像もつきません。ここ数年、これまでの常識が役に立たないような災害ばかりで、緊急時に備えるということを、改めて見直す必要があると痛感しました。

さて、8月3日にはトム・クルーズ主演の“ミッション・インポッシブル~フォールアウト”が公開になります。私の年代の人には、ミッション・インポッシブルと言うより、「スパイ大作戦」の方が馴染み深いのではないでしょうか。

子供の頃、学校前の文房具屋さんで、サンスター文具の「スパイライセンス」という手帳を買ったことが忘れられません。スパイバッジ、秘密連絡用のスパイシール、モールス信号の一覧表、鏡、ローソクで書いて水につけると文字が浮かび上がるメモ用紙、水に溶けるメモ用紙などがセットになっていました。

この水に溶けるメモというのが優れもので、仲間からの秘密の通信文を読んだ後は、その紙を水に入れて軽くかき混ぜると、その紙はあっという間に消滅してしまうのです。

なぜ読んだらすぐに燃やさないかって?当時は、子供の火遊びにはものすごくうるさい時代で、マッチなんか持たせてもらえませんでしたし、100円ライターなどは存在もしていませんでした。だから溶ける紙が貴重だったのです。え?トイレットペーパーに書いて水に流せば同じ??いえいえ、水洗トイレの登場はまだまだ先だし、トイレットペーパーのロールなんて、どこにも売っていませんでした。

この「スパイライセンス」と銀玉鉄砲を持ち、秘密基地を作って遊ぶ。楽しかった記憶が今もあります。銀玉鉄砲の弾は、ひと箱5円(?)。それでほぼ玉は満タンなので、10円で2箱も買えば十分。撃ち合いで弾が切れたら、全員で弾拾いタイムでした。中には自分では弾を買わず、最初は撃つのを我慢し、この弾拾いでちゃっかり自分の鉄砲をフル充填する強者もいました。(笑)

トム・クルーズと珪藻土の話はどこに行った?

そうでした。この銀玉鉄砲の弾が、珪藻土で作られていたのです!

多くのご家庭のバスルーム前に鎮座している珪藻土バスマット。銀玉は、あれと同じ材質なのです。珪藻土を丸薬のように丸く固め、アルミ粉をまぶした銀色の弾丸、これが銀玉なのです。だから拾い忘れても、雨が降れば土に帰りました。

今は子供たちが、銀玉鉄砲を撃つのは見たことが無いし、暗号を作ったり解読しているのも見たことがありません。首から上は撃たないなんていうルールを作ったり、夏なのに長袖で身体を保護したり・・・。体力と頭脳を鍛えながら、仲間と一緒に遊んで人間関係の築き方を学んで行く。そんな子供時代をリードしてくれたのが、スパイ大作戦ごっこ!

「スパイ大作戦と銀玉鉄砲」が、「ミッション・インポッシブルと珪藻土マット」に姿を変えた現代。何とも感慨深く思うのは僕だけでしょうか?