17日のIGFレスリング「GENOME18」東京・TDCホール大会では、超満員札止めとなる2,806人を動員。メインではバンナがピーター・アーツを下して王座を防衛。先日自殺した友人でもあるマイク・ベルナルドに勝利を捧げた。猪木が引退して、もう何年が経っただろう。それでも足を運んでしまいます。
休憩明けにアントニオ猪木が登場。「炎のファイター」に乗って、古代ローマ風の衣装でリングに上がった猪木は「元気ですか。元気があれば、何でもできる。元気があれば感謝もできる。IGF18回目の大会にご来場いただき、ありがとうございます。IGFはツイている。世の中の団体がみんなダメになっていく中で、IGFは大丈夫。なんで毎回オレがこんな格好をしなければならないのかな。前回はブータン国王の衣装があった。オレが国王に似てるからって。向こうが似てるんだけどね。今回も控室に入ったらこんな衣装があった。
その前に、去年の暮れに悔しかったことがあった。オレはキリスト様の格好をして登場した。去年は震災や不幸などいろいろあったので、罪をを全部かぶってあの世に行こうと思ったら、闘魂のテーマで甦ってしまった。今までオレは数限りない、何万人の頬を叩いてきた。でも、いつも右の頬を叩いたことがない。キリストの有名な言葉で『右の頬を叩かれたら左の頬を差し出せ』とあるけど、キリスト様は左利きだったんじゃないのかと。だから、オレはキリスト様に『今の話は本当ですか』と問いかけたが、日本語が通じなかったのか、返事がなかった。その返事は何でしょう。(客席からの『イエス』の声に)そう、イエスです。バカヤロー、オレの先を言うんじゃねえ。お釈迦様から、『死んだら仏になる』と言われた。なぜですか。『ブッタ』。
そこで、グラジエーターの話をしたら、今日、その衣装が出来てきた」と話し、「世紀の一戦」という詩の一篇を読み上げ、、「変な時代ですが、傷つこうが、苦しかろうが、常に新しいものにチャレンジして行こう。そんな気持ちで読み上げました」と話し、グラジエーターの衣装を脱ぐと、いつものスーツスタイルに変身。
「最後はオレが裸になるしかないな。皆さんにお世話になったので、鶴の恩返しの話を。鶴が田んぼでケガをして飛べなくなったのを農家の夫婦が看病した。元気になって大空へ飛べるようになった。農家の夫婦は鶴に『鶴の恩返しをしないのか』、と言ったら、『オレはサギだもん』と言って飛んでいった」というアントンジョークを披露。
すると、「猪木さん、僕も恩返しをさせてください」と、木村健悟と藤原喜明がアカペラで「ハッピーバースデー」を歌いながらリングに上がり、2人で花束をプレゼント。猪木は「オレがいくつになったか分かる人。まだオレは誕生日まで3日あるが、69歳になりました。ありがとうございます」と照れつつも、「東京ドームシティホールから、日本が元気になるように、世界が平和になるように、そんな祈りを込めまして」と、恒例の「1、2、3、ダァーッ!」で締めた。