青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

音楽雑誌が必須アイテムだった!

2013-05-23 | 青春の音盤

今日は音楽雑誌の話です。今のようにインターネットで一発検索なんて便利なことができなかった当時、気に入ったアーティストの情報を得るためには、音楽雑誌が必須アイテムでした。なかでも2大メジャーの「ミュージック・ライフ」「ロッキング・オン」、さらには「ザ・ミュージック」「MUSIC MAGAZINE」「Rock magazine」といった音楽雑誌が人気を博していました。他に僕は覚えていないけれど、音楽のジャンルの数くらい雑誌の種類が多かったと思います。また、今より小さいサイズの「宝島」のような、人気サブカル誌でも音楽関連記事は大きく取り扱われていました。

よくミュージック・ライフの写真をネットで見ますが、僕が今も持っているのは、この記事のカバー写真に使った1冊と他に数冊だけ。そしてミュージック・ライフよりも、ポピュラー色が強く、僕の好きだった「ザ・ミュージック」も1冊しか残っていません。ビートルズと、オリビア、リンダ目当てで買ったものですね。(笑)



大抵、音楽雑誌にはアーティストのインタビューが掲載されており、アーティストの意外な一面を知ることもできました。「ベスト・ヒット・USA」なんかのテレビ番組が登場するまでの当時の音楽雑誌は、足を向けては寝られない貴重な情報源でした。

もう1つの情報はラジオでした。80年代は、FM放送局が全国各地に相次いで開局された時期であり、FMはあっという間に全国の音楽ファンにとっての貴重な「音源」となりました。現在30代~40代の人にとって、FM放送をカセットテープに録音する「エアチェック」は懐かしい響きを持って当時を思い起こさせるキーワードです。何せ、ラジオの受信にはお金がかからないので、おいそれとレコードが買えない貧乏音楽マニアにとって、エアチェックは非常にありがたい曲の入手手段だったものです。

エアチェック利用者のために、FMを専門的に扱う雑誌が次々と登場しました。「週刊FM」「FMfan」「FMレコパル」「FMステーション」などの雑誌です。いずれもFMのガイド的役割と、オーディオ機器の紹介やレビュー、そしてアーティスト情報や新譜情報などを網羅した、かなり読み応えのある内容でした。おまけでついてくる、カセットテープ用のオリジナルのインデックスも有り難かった!しかし、根気と熱意が必要なエアチェックは、MTVなどのビデオクリップ全盛と、バブルを境に徐々に衰退。FM誌も続々と廃刊になりました。インターネットなどが無かった時代、「趣味のための情報」を得るためには、自らが能動的に行動する必要があったと、今しみじみと思います。

●付録●

当時の音楽保存の主流は、なんと言っても「カセットテープ」。カセットテープには、グレード順に「ノーマル」「ハイポジション」「メタル」の3種類があり、重要と思われる曲は、ハイポジやメタルといった高額だけどハイグレードなテープに保存したものでした。カセットテープは、ヘッドがテープ面を擦りながら読み取り再生するので、摩耗による劣化により音質が低下。そのため、音質低下を抑えるためには、ハイポジ/メタルクラスの高品質で対摩耗性の高いテープでなければなりませんでした。

ちなみにメタルテープは、その耐久性もさることながら、ノーマルのテープと比べて記録できる周波数帯が広く、より自然に近い音を再現できるという特性を持っていました。40年近く前に録ったテープを今再生しても、CDと遜色ないくらいの高音質で音楽が再生されることに驚くのは僕だけでは無いと思います。また、その名の示す通り、ノーマルテープと比べてみると、メタルテープはずっしりと重く、いかにも「音質が良さそう」と感じさせる頼もしさがありました。(1本2,000円前後するものもあり)。当時は電気屋さんでアルバイトして、メーカーさんが新しく出たテープの試供品を持ってくるのを心待ちにして、いろんなテープを試したものでした。ビデオテープもハイグレード(HG)の120分が1本2,500円~3,000円した時代でしたから、メーカーの人が、「これを試してみて下さい。赤が綺麗に録画できますよ。」なんて言いながらテープをくれると、とっても嬉しかったな~。(笑)