三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

聖金曜日(主の受難)の祭儀

2012年04月07日 | ミサ聖祭
聖金曜日を迎えたカトリック八王子教会
(東京都八王子市本町16-3)

4月6日(金)、八王子教会で聖金曜日の祭儀に参列した。この日、教会は「ミサ」を捧げず、イエスの死を思う「祭儀」が行なわれる。第一部「ことばの典礼」、第二部「十字架の崇敬」、第三部「交わりの儀(聖体拝領)」という構成で、今回、私は初めて「主の受難」の祭儀を経験した。聖木曜日に続き、聖堂内は満員である。午後7時、司祭と侍者が入堂。第一部「ことばの典礼」では、ヨハネによる主イエス・キリストの受難が朗読された(ヨハネ18・1~19・42)。

稲川神父は、「きょうの朗読の中で、対立していた二つの言葉があります。それは、『はい』と『いいえ』。人間は神様に愛された子どもです。イエス様はその真実に、『はい』と生きられたお方。それに対して、きょうのペトロの言葉に代表されるように、人間は様々な理由によって、『いいえ』と答えてしまう存在です」と話された。「イエス様は十字架上で私たちの苦しみを負いつつ、神様に愛された子どもであるという真実に向かって、『はい』と答えられたのです」。

第二部「十字架の崇敬」。司祭は布で覆われた十字架を顕示しながら、「見よキリストの十字架、世の救い」と朗唱し、会衆は「ともにあがめ、たたえよう」と応唱。徐々に布が取り払われ、尊い十字架が現れた。会衆は聖体行列のように並んで、祭壇前に置かれた十字架を崇敬。私もお隣の老婦人と共に、跪いて祈る。その間、「十字架賛歌」が流れていたので、感極まってしまった。「世の罪を贖われた主よ、神の子であることを否む私を赦してください」。


夜のカトリック八王子教会聖堂

◆祭儀中の主な歌:
十字架の崇敬:典礼聖歌336「十字架賛歌(2)クルス・フィデリース」、拝領:典礼聖歌82「神を敬う人の死は」。

◆聖金曜日の祭儀の「個人的な備忘録」:
・この日の典礼は「祭儀」なので、ミサ曲はもちろん、入祭・奉納・閉祭の歌などは歌わない。
枝の主日と同じく、長い受難朗読は3人で分担(司祭はイエス役、他の2人は語り手、ピラト役など)。
・その受難朗読で、会衆はユダヤ人の群衆役。私も「殺せ。殺せ。十字架につけろ」と唱和した。
・第三部「交わりの儀」で授けられる聖体は、前日既に聖別されている(∵聖金曜日はミサがないから)。古くは「既聖別のミサ」と称した。
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