三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

携香女の主日聖体礼儀

2014年05月10日 | 東方正教会
日本正教会 東京復活大聖堂教会
(住所:東京都千代田区神田駿河台4-1-3)

5月4日(日)、東京復活大聖堂教会(通称ニコライ堂)で、携香女の主日聖体礼儀に参祷した。私がニコライ堂へ足を運ぶようになってから、この日で約一年を迎えた(昨年も携香女の主日だった)。私はカトリック系の病院で生まれ、プロテスタント系の高校を卒業し、聖公会系の大学を中退した。この西方教会的人生(?)の中で、東方正教会との接点はほとんどなく、それもロシア音楽で耳にした聖歌の調べ(注)、海外旅行時に見た教会(下写真)など、断片的な印象に過ぎなかった。

私にとって東方正教会は「知られざるキリスト教」であったが、まさに「来リテ観ヨ(きたりてみよ)」(ヨハネ1・46)、初めて参祷した聖体礼儀は「赤裸々に最も露骨に」キリストの息吹きが漲っていた。しかも、それは天の国のようであった。今年は復活日が西方教会と同日だったが、来年は東方正教会の復活大祭にも参祷したいと考えている。私には大斎の意味を理解する時間が、もう少し必要だ。午前10時、ダニイル府主教と司祭が厳かに入堂。ア・カペラの聖歌が流れ、乳香の煙が漂う。

福音経の誦読は、マグダラのマリアたちが香料を携えて、イエスの墓を訪れる場面(マルコ15・43-16・8)。大浪佑二神父は「ガリレヤは弟子たちが初めて主に出会った故郷であり、復活の主と再会する喜びの地。私たちにも“信仰によるガリレヤ”があります。人間の弱さを知る主はガリレヤで会うことを呼びかけられ、そこで先に待っておられる。本日の福音は、その限りない慈しみを示しています」と話された。遅ればせながら、私も声高らかに叫ぼう。「ハリストス復活!」「実に復活!」。


ブルガリアのアレクサンドル・ネフスキー大聖堂
<首都ソフィアにあるブルガリア正教会の“総本山”>


ブルガリア正教会 聖ネデリャ教会。首都ソフィア。
(1990年代、デジカメのない頃の写真。エウティコ撮影)

(注):チャイコフスキーの大序曲「1812年」、リムスキー=コルサコフの序曲「ロシアの復活祭」、ラフマニノフの「晩祷」など。私が「1812年」を初めて聴いたのは、カラヤンとベルリン・フィルのレコードだった。序奏の聖歌の部分がドン・コサック合唱団によって歌われていたのが印象的。また、米国の作曲家アルフレッド・リード(1921-2005年)の「ロシアのクリスマス音楽」という吹奏楽曲も忘れられない。全編に正教聖歌風の旋律が散りばめられている作品で、吹奏楽部員だった私の愛好曲。

◆主な参考文献・CDなど:
・「宣教師ニコライと明治日本」 中村健之介著(岩波新書・1996年)
・CD「チャイコフスキー:大序曲≪1812年≫」 バレンボイム指揮/シカゴ交響楽団(Polydor:F35G-50035)
・CD「ロシア音楽の饗宴」 ロジェストヴェンスキー指揮/パリ管弦楽団(EMI:TOCE-7272)
・CD「ラフマニノフ:晩祷」 ミーニン指揮/国立モスクワ合唱団(Arts Core:ATCO-1005)
・CD「A Tribute to Alfred Reed」 リード指揮/ニュージャージー大学ウィンドEns.(Mark:3712-MCD)
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