しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <神とともに歩む>

2023-07-03 | ミカ書
「あなたは食べても満ち足りず、あなたの腹は飢える。取っておいても保つことはできず、保っていたものは、わたしが剣に渡す。」(ミカ6:14新改訳)

乳と蜜の流れる約束の地に入って数百年、どうしてイスラエルは繁栄と祝福を失ってしまったのであろう。ミカは彼らが不正のかぎりをつくして歩んでいるせいだという。そして一日も早く、神が喜ばれる正しい道に戻れ、という。▼この本章の中心聖句は8節で、ミカ書全体の心柱(しんばしら)でもある。「それは、ただ公正を行い、誠実(せいじつ)を愛し、へりくだって、あなたの神とともに歩むことではないか」(8)と、まさにこれが旧約聖書全体を貫いている柱であり、神とイスラエルが契約を結んだときの要石(かなめいし)なのであった。しかし今はどうか。商取引のときに用いる秤(はかり)には「いつわりの目盛(めも)り」を刻(きざ)み、金持ちも一般市民も平気でうそをつき、あらゆる罪を平然(へいぜん)と犯(おか)し続けて何とも思わない。だから神のさばきは民全体の上に臨(のぞ)み、食べても満ち足りることはなく、畑も町々もあれはて、争いと剣(つるぎ)がどこに行っても満ちている。▼心から主を恐れ、誠実な生き方をすることが国家百年の計であることがよくわかる。ミカはするどい言葉で当時のイスラエルとユダ両王国の不正を指摘しつつも、明るい希望を語るのを忘れなかった。私たちの待ち望むメシアはかならずお出でになる。そして平和な神の国はそのとき実現するのだ。だから、その時代に備えるために、不正をやめ、誠実な生き方をせよ、と。この預言は今の私たちにも語られたものである。なぜならイエス・キリストの再臨は確実に近づき、その日を待ち望むことにおいて、私たちはミカと同じ立ち位置におかれているからである。