しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <知恵のある者>

2024-05-11 | Ⅰコリント
「また、『主は、知恵のある者の思い計ることがいかに空しいかを、知っておられる』とも書かれています。」(Ⅰコリント3:20新改訳)

自分を知恵者と自認しているギリシア人たちを念頭(ねんとう)に置きながら、パウロはコリントの信徒たちに、キリストを御霊によって知ることの大切さを強調した。▼もしこの世的な知恵が最高の価値を持っているのであれば、知らないことは何一つなかった知恵者中の知恵者ソロモン王は、史上もっとも幸せな人だったろう。しかし、彼の著作である「伝道者の書」を見よ、そこに流れるさびしさ、空しさは深く、まるで漆黒(しっこく)の海をさ迷う小舟のようだ。自然界の秘密を知り、千人の妻妾(さいしょう)をかかえ、黄金と宝石に囲まれ、世界中からの見学者を謁見(えっけん)したソロモン、その彼が得た結論が「空の空」であったとは、おどろきではないだろうか。▼私たちはあざむかれてはならない。イエス・キリストとそこに現わされた神の愛こそが永遠の知恵であり、人はその愛をいただいたときに初めて満ち足りるのだから。