使用者が決めてない時に、労働者が決めるのですが・・・。あまりどちらも決めていないようですが・・・。
年次有給休暇については、勤続年数が増すにつれて、1日~2日と増加していき、最大年に20日まで休むことができます。さらに、時効は2年となっているので、その年に使わなかった年休については、次の年に繰り越すことができます。
この繰り越した年休については、その年に発生する年休とどちらを先に消化していったらいいのでしょうか。事業所によっては、何も考えずに、繰り越した分から消化しているところも多いのではないでしょうか。
その年に発生した年休から、消化していけば、繰り越した年休の2年の時効が、来てしまいます。一方、繰り越した年休を使えば、少なくともその年に発生した年休については、時効にかからないことになり、次の年に繰り越せます。どちらが、労働者にとって、有利かといえば、明らかに後者の方です。
前者、後者どちらをとるかは、労働基準法に規定はなく、実は、民法488条に規定されています。
民法第488条
1項 債務者が・・・・数個の債務を負担する場合において、弁済して提供した給付がすべての債務を消滅させるのに足りないときは、弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。
2項 弁済する者が前項の規定による指定をしないときは、弁済を受領する者は、その受領の時に、その弁済を充当すべき債務を充当すべき債務を指定することができる。・・・・
1項において、「弁済をする者」≒債務者=年休の負担者=使用者は、「充当を充当する債務」=年休日を指定することになっています。ここで、労働基準法に帰り、労働条件等は、一般的には、就業規則に書くことになっているので、就業規則で、繰り越し分か、その年の発生の年休のどちらを取るかについて、指定することになります。
2項において、この指定がないときは、弁済を受領するもの≒債権者=年休取得の権利者=労働者が、これらの年休のどちらを取るかを指定することになります。
まとめると、使用者としては、繰り越し分からか、その年に発生した年休から消化するかを、基本的には、就業規則で定めることができることになっています。その定めがない場合に、はじめて、労働者のほうで決めることができるのです。労働者の方でも、どちらにするか、特段の意思表示はない場合が多いでしょうが、そこは労働者の有利なほうの、繰り越し分から使うという解釈になるのでしょう。
<繰り越し分から消化する就業規則の例>
(「会社と従業員を守るルールブック 就業規則のつくり方」から/同文館出版㈱発行、久保社会保険労務士法人編)
第○○条
5.年次有給休暇の繰り越しは、その年度に使用しなかった日数を次年度に限って、繰り越し分を使用することができる。年次有給休暇の使用順位については、この繰り越し分から優先的に使用するものとする。
年次有給休暇については、勤続年数が増すにつれて、1日~2日と増加していき、最大年に20日まで休むことができます。さらに、時効は2年となっているので、その年に使わなかった年休については、次の年に繰り越すことができます。
この繰り越した年休については、その年に発生する年休とどちらを先に消化していったらいいのでしょうか。事業所によっては、何も考えずに、繰り越した分から消化しているところも多いのではないでしょうか。
その年に発生した年休から、消化していけば、繰り越した年休の2年の時効が、来てしまいます。一方、繰り越した年休を使えば、少なくともその年に発生した年休については、時効にかからないことになり、次の年に繰り越せます。どちらが、労働者にとって、有利かといえば、明らかに後者の方です。
前者、後者どちらをとるかは、労働基準法に規定はなく、実は、民法488条に規定されています。
民法第488条
1項 債務者が・・・・数個の債務を負担する場合において、弁済して提供した給付がすべての債務を消滅させるのに足りないときは、弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。
2項 弁済する者が前項の規定による指定をしないときは、弁済を受領する者は、その受領の時に、その弁済を充当すべき債務を充当すべき債務を指定することができる。・・・・
1項において、「弁済をする者」≒債務者=年休の負担者=使用者は、「充当を充当する債務」=年休日を指定することになっています。ここで、労働基準法に帰り、労働条件等は、一般的には、就業規則に書くことになっているので、就業規則で、繰り越し分か、その年の発生の年休のどちらを取るかについて、指定することになります。
2項において、この指定がないときは、弁済を受領するもの≒債権者=年休取得の権利者=労働者が、これらの年休のどちらを取るかを指定することになります。
まとめると、使用者としては、繰り越し分からか、その年に発生した年休から消化するかを、基本的には、就業規則で定めることができることになっています。その定めがない場合に、はじめて、労働者のほうで決めることができるのです。労働者の方でも、どちらにするか、特段の意思表示はない場合が多いでしょうが、そこは労働者の有利なほうの、繰り越し分から使うという解釈になるのでしょう。
<繰り越し分から消化する就業規則の例>
(「会社と従業員を守るルールブック 就業規則のつくり方」から/同文館出版㈱発行、久保社会保険労務士法人編)
第○○条
5.年次有給休暇の繰り越しは、その年度に使用しなかった日数を次年度に限って、繰り越し分を使用することができる。年次有給休暇の使用順位については、この繰り越し分から優先的に使用するものとする。