今年詠んだ本で最も印象に残ったのは戦後最初東大総長となった南原繁の生涯を描いた「夏の坂道」です。南原繁のことに関してはがん哲学外来の創始者で順天堂大学医学部名誉教授の樋野興夫先生がよく講演で南原繁のお話しをして名前だけは記憶にありましたが政治哲学者で戦後最初の東大総長としか知りませんでした。南原繁は戦前、戦中から軍部の軋轢により大学自治が脅かされ厳しい立場にありながらも大学を守り平和を追求する立場で行動しました。この小説を読んで南原繁がこの行動をとれたのも家族や周りにいる理解者の協力があったことが描かれて、どんな苦しい立場の時にも一番に力となるのは人のつながりであることが良く読み取れました。学者が主人公の歴史小説は珍しくまた大変読みがいのある本でした。このような素晴らしい本に出合えたことに感謝です。
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