最期の将軍と言われた徳川慶喜ー徳川家康の再来ともいわれ14代将軍継嗣問題に将軍候補として薩摩藩主島津斉彬や福井藩主松平春嶽など各藩の有力諸侯から推されました。そもそもは水戸藩主徳川斉昭の子で水戸徳川家は副将軍格ですから将軍にはなれないのですが江戸で生まれるとすぐに水戸の藩校弘道館に入り英才教育を受けて徳川御三卿の一橋家へ養子に入り将軍候補になりました。江戸後期の幕政は将軍というより執政は大老・老中が行いましたが欧米列強の進出や内政の混乱から将軍の執政能力が問われていました。14代将軍は結局紀州藩主慶福公がなりますが、将軍になって1年という短さで亡くなり再び一橋慶喜が将軍候補になりました。本人はずいぶんと拒んでいたようですが周りから推され遂に15代将軍になりました。とかく幕末の幕府は衰退の一途をたどり幕閣の能力が問われますが、徳川慶喜は幕政改革・軍制改革を推し進め欧米並みの議会制度や近代的軍隊も模索していました。この徳川慶喜の構想は当時、薩長や他の有力諸侯よりも優れた構想を持ち合わせていました。なぜこれだけの才能を持ち合わせて32歳の若さで隠居謹慎して政治の世界から退いていったのか、また、これだけの政治的才能を持ちながら隠居後実に44年間世の中に出ることがなかったのか謎は深まるばかりです。その謎を解くことが明治維新の意義の見直しにつながると思います。
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