仁淀川日記
土佐を流れる清流・仁淀川や、高知の自然、身の回りのできごと、日常の風景を写真で紹介




高岡郡津野町の天狗高原周辺は、林野庁の「森林セラピーロード」に指定されていましたが、今年の4月には「森林セラピー基地」に格上げされました。



昨年の春にヤマシャクヤクを見に行ってきましたが、今年もまた出かけて見ました。
平日でしたので、駐車場には10台程度の車しか止まっていません。
昨年は尾根筋を通って天狗の森まで往復しましたが、今年はその南斜面を通る”セラピーロード”に足を向けました。


遊歩道は良く整備されており、足下には木のチップが撒かれています。左側にはヤマルリソウやスミレ、ヒメレンゲなどが咲いており、右側は楓などの若葉が深い谷となって落ちています。


歩き始めたのが昼前でしたので、ほとんどの人は既にこの道を進んでいたようで、遇うのは帰りの人ばかりです。
(下の写真は振り返って撮ったので、左右が逆に見えています。)


この辺りにはホウチャクソウがたくさん咲いており、ちょうど出会ったご夫婦の方と話をしていると突然、ドーンという大きな音が遠くから聞こえてきました。
空は晴れてはいるものの、灰色の厚い雲が太陽を隠す時間が長くなり、雨が降らなければよいがと思いながら歩いているところでしたので、これは雷鳴か!と驚きました。
すると、ご夫婦のご主人が、あれはきっと鳥形山の発破の音でしょうと教えてくれました。
確かに、ドーンという音はあまり長くなく、一度きりでしたので発破の音に間違いないようです。


チップを敷き詰めたセラピーロードはおよそ1Kmほどで、そこからは普通の山道に変わります。
道の脇にはところどころ、プラスチックで距離を示した小さなボードが置かれており、入り口からどれだけ進んだかがわかります。

このルートは緩やかな勾配が続くので歩くのには楽ですが、虫には閉口しました。
小さなアブなのかハエなのか、とにかく顔の回りを飛び回り、耳の穴や目にに飛び込もうとします。
最初は手で払っていましたが埒があかず、タオルを頭から被り、首筋と耳を覆い隠しました。顔の前面はどうしようもないですが、耳の回りの羽音からは解消されました。


セラピーロード(横道ルート)は、穏やかな道ですが、残念ながら目的のヤマシャクヤクが見あたりません。
このため、途中から天狗の森に向かう登り坂にルートを変えました。こちらは今までとは違い、かなりの急坂が続きます。

この分では誰にも遇わないのではと思っていると、上からカメラを担いだ男性が下りてこられました。


私もカメラを下げていましたので挨拶をし、ヤマシャクヤクの状態をお聞きしました。
すると、尾根筋にはヤマシャクヤクとイチリンソウ、サクラスミレが満開ですよとのこと。
色々とお話しをしていると、その方はカルスト学習館の館長さんとのこと。流石に詳しいはずです。
今朝ほど登られた方が、トリガタハンショウヅルが咲いていたと報告があったので確認しに来たけれど、残念ながらわからなかったとのことでした。


館長さんとお別れして更に坂道を登ると、ヤマシャクヤクが見えてきました。
一つ見つかると後はいくらでも、既に花の時期を終えている株もありましたが、固いつぼみもたくさんあります。
石灰岩が見え出すとやっと視界が広がります。風も心地よく、頭に被ったタオルも気にならなくなりました。


駐車場を出発しておよそ1時間半、やっと天狗の森頂上に着きました。
写真を撮る時間がありますので、単純に経過時間とはならないのですが、横道からの登りにずいぶんと時間を取られてしまいました。


昼前に登り始めましたので、ここでやっと昼食です。
お昼はコンビニで買ってきたおむすびが3個。誰もいない頂上で、回りの景色を独り占めして食べるものは極上です。

彼方には、先ほど雷鳴と間違えた鳥形山の石灰石採掘場が見えます。
山の頂上は露天掘りで平らとなり、大きなダンプカーなどが走り回っているはずです。


お腹も張り、体力も戻ってきたので戻ります。今度は尾根筋にそって駐車場を目指します。
ヤマシャクヤクもそこここに咲いていますが、少し林の中に入ると今度はイチリンソウが満開です。


ただ、写真を撮っていてもこの時間帯から考えて多分、この山には私だけしかいないのではないかと思うと、ちょっと不安になります。
と言うことで、よほどの目新しいものが無ければ先に進むことにします。
ここからの戻りは一応、高度的には下るのですが、途中にはそれなりのアップダウンがあります。


途中の鞍部から天狗の森を振り返ったところですが、ここが一番狭く、左右に急な崖が落ち込んでいます。
道も石灰岩の間を縫うように進むため、足取りには注意が必要です。


歩き始めておよそ3時間、無事に駐車場まで戻ってきました。
セラピーロードの方からは何組かのグループが戻ってきています。車もまだ、多少止まっていますので、そちらに入っている人は未だ、多少はいるようです。

流石に汗びっしょりです。着替えを準備してきたのですが、他の人がいる駐車場で着替えるのも何ですので、とりあえず高原の方に移動しました。
この続きはまた・・・・・

【撮影データ】
1枚目の天狗高原望遠、及び11枚目の鳥形山望遠の写真は
Nikon D200 Tamron 90mm F2.8 D Macro
その他の写真は全て、
Nikon D80 SIGMA 10-20mm F4-5.6 G
で撮影しています。


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