東京都木材団体連合会から、事業者認定書が送られてきました。
これは、合法性・持続可能性の証明に係る事業者認定です。
この他、材木屋は行政に業者登録する必要ないと思っていたのですが、相当古い「木材業者登録証」を発見しました。
東京都が発行したもののようです。
裏面は…
昭和23年ですね。
登録番号は3372番。
通し番号かどうか分かりませんが、当時は相当材木屋の数があったと思われます。
今はかなり数が減っています。
減る一方で、新たな起業なんて聞いたことがありません。
東京都内だと500社に満たないのではないでしょうか?
氏名の欄には先々代の個人名が書かれています。
当時はまだ法人になっていなかったのですね。
登録取り消しに関する注意事項がずらずらっと書かれていますが、その中に面白い一文が…。
「正当の理由がないのに需要者に対し木材の販売を拒否したとき」
当時は業者がお客様を選ぶほど売れていた時代だったと聞きます。
いい時代ですね~。
でも待てよ。
コロナから始まったウッドショックとロシアのウクライナ侵攻により、木材が高騰し、品薄状態が続いています。
実際に現在はお得意様以外の方々にはお売りできるほど在庫がないのです。
ある意味、業者がお客様を選ぶ現象が起きています。
歴史は必ず繰り返します。
過去に学んで将来に備える。
考えさせられる昨今です。
ロシアのウクライナ侵攻による経済制裁により、ロシア材が日本に入って来なくなりました。
日本で主に使われるロシア材は、ラーチ(カラ松)と赤松です。
ラーチは構造用合板の単板として使われていますが、既に主力は国産のカラ松や杉になっています。
赤松は垂木として使われています。
ウッドショックの影響で、去年の一年間で既に二倍に値が上がっていたところ、さらなる苦境にたたされています。
そんな中、たまたま新国立競技場の下にやってきました。
中にはまだ入っていませんが、外周の真下から見上げると、垂木がびっしりと連続して縦格子に並んでいて圧巻でした。
こちらの垂木は国産の杉ですが…。
この外周の軒庇(のきびさし)は47都道府県の木材を使い、その産地の方角に向かって配置してあるそうです。
心憎い配慮ですね。
下からよく見てみると、断面に白いプレートが貼ってありました。
なぜでしょうか…。
材が割れて見た目を損ねるのを防ぐためでしょうか…。
この垂木は加圧注入処理して耐久性を高めてあると聞いています。
プレートを貼ることによって、木材とプレートとの間に雨が浸透し、乾きにくくなるので、かえって木材の劣化を速めてしまうような気がします。
さて、10年後にどのようになっているか、楽しみです。
うちの会社には木がたくさんあります。
材木屋だから当たり前ですが…
木を持ったり運んだりするときは、ゴムのついた手袋をはめます。
トゲから手を守ったり、グリップを利かせるためにとても役立っています。
たまに手袋をはめずに木を持って、トゲが指に入ってしまうこともあります。
写真はトゲ抜きの様子。
トゲって、細くて短くても結構痛いんですよね。
この写真、自分ではなく他の若い社員に抜いてもらっている場面です。
自分では抜きにくい場所に刺さってしまったというよりは、老眼でトゲが見えない!!
二重に悲しいくも微笑ましい朝でした。
合計5時間のトラックでの旅は疲れました。
この日、埼玉県入間市に行ってから、東京都檜原村に納品に。
檜原村は島を除くと東京都で唯一の村です。
総面積の93%が森林。
山道を気持ちよくドライブ。
でも、花粉の季節なので窓は全開にはできず…。
目的地は檜原村おもちゃ工房。
工房の隣には檜原森のおもちゃ美術館が併設されています。
檜原村で育った木材をふんだんに活用した木造2階建ての木の香りに満ちた空間には、村の魅力を伝える木のおもちゃと遊びであふれ、0歳から100歳まで多様な世代の方々が楽しめます。
地元でとれた食材を食べられるカフェがあり、ゆっくり滞在できます。
そこで昼食をいただきながら、この工房や美術館開設に大きな役割を担った東京チェンソーズの青木代表と楽しいお話をしてきました。
みなさんもぜひ訪れてみてください。
東京芸術大学へ納品してきました。
材料はシナ合板(ラワン芯準両面)とタルキと小割です。
合板はコロナの影響もあり、品薄ですし単価も上がっています。
タルキと小割はロシア産の赤松です。
去年大幅に価格が上がりましたし、ロシアのウクライナ侵攻による経済制裁で今後輸入できなくなります。
グローバル化し、世界は小さくなりました。
そのため、世界のどこかで何かあれば、どこかに影響が出ます。
自分の国だけの問題ではありません。
だからこそ外交が重要ですね。
政治家さんがんばれ!
さて、芸術の世界はどうなっているのでしょうか?
この納品日、東京芸術大学は入試があったようです。
美術学部は毎年200名ほどの狭き門。
日本で唯一の国立総合芸術大学です。
芸術については何の知識もない私ですが、グローバル化の影響を受けているのでしょうか?
がんばれ芸術!
さて、私は何をがんばろうかな…
只今ウッドショック中で在庫がほとんどない針葉樹合板。
その針葉樹合板をふんだんに使ったホテルが、写真の「木が読めるホテル」…じゃなくて「本が読めるホテル」です。
しかもカプセルホテル。
しかも新宿歌舞伎町。
ギャップが面白いです。
先日、なかなか読みにくい本を読んいまして、集中しないと読み進められない心理学の本だったので、このホテルに宿泊することにしました。
写真の場所は共有スペースで、各々勝手にいろんなところに座って本を読んでいます。
カフェも併設されているし、持ち込みもOK。
ロケーションが歌舞伎町なので、ついつい夜に徘徊したくなりましたが、そこは我慢。
本を読むために来たのです。
カプセルホテルで音が駄々洩れのホテルで、ベットで熟睡できそうもなかったので、ほぼ徹夜で本を読めたので逆によかったです。
今年の木材業界はコロナ禍に振り回され、さらにウッドショックに振り回された一年でした。
まず、ラワン合板から値上がりが始まりました。
インドネシアやマレーシアの工場がロックダウンの影響で、生産量が落ちたことと、中国が一気に景気回復したことにより、コンテナや船便の確保ができなくなったためだと言われています。
石油の値上がりによって船賃も上がりましたし、接着剤の値段も上がりました。
その後、北米材の2×4や、ロシアのタルキ等がすごい勢いで値上がりしました。
外材が軒並み値上がりや欠品を起こしたので、国産材が代替材として需要が高まりました。
シナ合板や針葉樹合板などなどです。
日本の木材自給率は現在40%強です。
まだ外材に60%も頼っているため、このような現象が起きてしまいます。
20年前の自給率は20%を切っていた状況で、徐々に国産材回帰していました。
このままさらに少しずつ増えていきたいところでしたが、このようなウッドショックが起こると、急激に流通が変化し、変化に供給が間に合わず混乱をきたしてしまいます。
最近では床の下地として使われている、パーティクルボードt20 600*1820が品薄になってしまっています。
これについてはコロナ禍とは違う要因ですが、いずれにしろ毎日メールや電話で全国から在庫状況の問合せがあります。
安定供給を目指す我々流通業者はしばらく悩みが続きそうです。
一年前には想像できなかった今の状況なので、来年はどんな一年になるのでしょうか。
いずれにしろ、笑顔でいたいと思います。
うちのモミジが赤く色づいてきました。
きれいです。
このモミジを植えたのが去年の夏でした。
それからあまり大きくなっていませんが、いいんです。
木はゆっくりとゆっくりと生長していきます。
目に見える急な生長は必要ありません。
いまのところ、病気もなく、虫がつくこともなく、生きているだけでうれしいです。
川越で素敵な木造のスターバックスを発見しました。
街並みに配慮して木造にしてあります。
すばらしいです。
しかも、新築されたそうです。
2018年にオープンし、「20 Starbucks stores to visit in 2020(2020年に訪れるべき世界中のスタバ20選)」に選出されました。
家族と一緒だったのでじっくり中に入って見ることはしませんでしたが、杉を多用していて和風モダンなつくり。
スターバックスって、いい会社ですね。
つい先日の11月3日、檜原村に「檜原森のおもちゃ美術館」がオープンしました。
おめでとうございます!
この施設は、四谷にある「東京おもちゃ美術館」の姉妹館。
東京おもちゃ美術館は、木のおもちゃがいっぱいで、展示されているのではなく、実際に遊べる施設です。
うちの子どもが小さい頃、何度か通ったことがありますし、木に携わる仕事をしているものとして、非常に共感していた施設でもあります。
しかしこのコロナ禍で、運営も大変だろうと察していたところでした。
檜原村は東京とは言え、ここ浅草から結構離れています。
なにせ東京都内唯一の村ですし、村の面積の93%が森林だというところです。
杉や桧の植林木がいっぱいあります。
この檜原村はちょっと面白く、日本で初めての「木のおもちゃの村」として育てていく檜原村トイビレッジ構想なるものがあります。
産業と観光の両面から地域を盛り上げていく狙いです。
美術館に隣接する「おもちゃ工房」は、2019年から既に稼働しており、村内の林業会社「東京チェンソーズ」が関わっています。
その東京チェンソーズの代表とはちょっとしたご縁のある人です。
東京の林業を何とか盛り立てていきたいという夢を持ち、夢に終わらせることなく次々と実現していく実行力の持ち主。
熱い心を持ち、それに共感する人が吸い寄せられ、輪が大きくなり、いつの間にか形になっていく。
素敵です。
近々「檜原森のおもちゃ美術館」を訪れたいと思います。