浅草の木材バカ四代

東京下町・浅草の材木屋。四代目社長日記

経木(きょうぎ)

2005-08-26 18:34:06 | 木の話題
その昔、経木という木を紙のように薄く削ったものがありました。
おにぎりや菓子、肉などを包むのに使われるものです。
もっと昔、紙が少なく高価な時代は紙の変わりに、これにお経を書いたので「経木」という名前で呼ばれたのだそうです。
材質は松やシナなどなど。
数十年前までは一般的に使われていたので、ご記憶の方も多いと思います。
経木は使い捨てても時間がたてば腐って土にかえります。
最近は経木の代わりにビニール袋やプラスチックの容器が使われていますが、これらを捨てても土にかえることはなく、焼却すれば有害物質を吐き出します。
木は使って植えてを繰り返せば尽きることはありませんが、石油製品はいずれ資源が枯渇します。
そういえばインドでチャイ(ミルクティー)を飲むの時は、今でも土で作った素焼きの容器を使います。
飲み終わったらその容器を地面に叩きつけて、ごちそうさまです。
最初にその様子を見た時はびっくりしましたが、よく考えるととても合理的です。
私もやってみました。
最初は「もったいないかな」っと躊躇しましたが、叩きつけるとストレス発散にもなって面白かったです。
うーん、インド人びっくりです。
でも宿の部屋のゴミ箱の中に捨てたゴミを、掃除のおばちゃんがポイっとガンジス川に捨ててしまったのには唖然としました。
おいおい、インド人恐るべしです。
使い捨てすることはすべてが「悪」なのではなく、使い捨ててもゴミにならない材料を使うことのほうが、「エコ」につながる事もあるのですね。

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シカ食害深刻化

2005-08-08 10:34:17 | 木の話題
野生のシカが急増し、植林直後のスギなどが食い荒らされる被害が奥多摩で深刻化しています。
裸になった山肌から土砂が流れ出し、斜面が崩落する事態も起きています。
私はケービング(洞窟潜り)や沢登りをやりに奥多摩によく行きます。
川の源流近くで喉が渇いても、奥多摩の水は飲みません。
他の川では冷たくきれいな水をグビグビ飲みますが…。
奥多摩では本当によくシカの糞を見かけるし、シカにもよく出くわします。
最初は「おっ、シカだ!かわいい!」と驚いたものですが、あまりにしょっちゅう出くわすので、なんの興味も示さなくなりました。
単に臭いだけです、シカは。
10年前には300頭だったシカは、現在3000頭まで増えたそうです。
なんと10倍です。
年間600頭は捕っていい政策になったのですが、それ以上に増え続けているそうです。
地元で林業を続ける人は、苗木にカバーをしたり、斜面をネットで覆ったりして対策を立てていますが、それでもシカに食べられてしまいます。
お金もかかるし労力もかかりますね。
私も植林した経験がありますが、一本一本苗木にカバーをつけていくのは大変でした。
ただでさえ木材の値段が安くなって林業の採算が合わなくなっているのに、さらにコストがかかってしまっては「泣きっ面に蜂」ではなくて「泣きっ面にシカ」です。
動物愛護の人々は「シカを捕るのはかわいそう」だとか「殺さないでほしい」とおっしゃるでしょうが、増えすぎたシカによって自然環境が破壊され、生態系も危機に陥っています。
シカちゃんは鍋に入れて食べちゃいましょう。
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