私がこれまで使ってきた天体望遠鏡のアイピースは
中学生の時に買ってもらったアストロ光学の10センチ反射望遠鏡に付属していたミッテンゼーハイゲンス(MH)7mmと
12.5mmと25mm
高校生の時にアルバイトで貯めたお金で買った高橋製作所のTS式65mm屈折赤道儀P型に付属していたオルソ(Or)
アイピース7mmと17mm
後に追加で赤道儀に載せた写真レンズで天体写真を撮るため十字線が張られたアイピースの星をジーッと見ながらハンドルを
チビチビと動かして星を追いかける手動ガイドのケルナー(K)12mm
そして当時のアイピースは視野が狭いものばかりの中広角視野の代表格エルフレ(Er)32mmという特殊なアイピース
です
昔のオルソアイピースでもその後に購入したフローライト(蛍石)を使ったFC60mmアポクロマート鏡筒では色収差の無い
クリアで素晴らしい月が綺麗でした
でも惑星観望ではいくら色収差が激減してもさすがに倍率が低いので3倍バローレンズで214倍にして眺めていましたが像は
大きくなるものの余計な光学系が加わったことでシャープさが落ちぼけた像が大きくなるだけの見ていても感動は少なく本気で
見たければ大きな口径の公共天文台に行けばいいやと追加購入せずにそのままでいました
このころの古いアイピースは径1インチ(24.5mm)でツアイスサイズアイピースと言われるもので、今は31.7mm
のアメリカンサイズアイピースと言われるものに切り替わり販売されていないようです
アメリカンサイズアイピースはより贅沢な設計になり広視野に進化しマルチコーティングでシャープさやコントラストや色乗り
に優れているようですが私の望遠鏡は口径が60mmと小口径なので期待できずアメリカンアイピースは手に入れることは
無かったです
惑星観測での思い出は高校生のころに10センチ反射望遠鏡でオルソ7mm142倍で木星をたった一夜だけ最高中の最高の
シーイングの時に縞模様がうねる様にごく小さな模様がぴたりと動かずに見えた思い出ああります、夕方から外へ放置したまま
深夜に観測したので望遠鏡の気温順応がしっかりできていたのかもしれませんその頃木星のスケッチも続けていてそのたった
一度だけのその夜が凄かったことがありました
さらに1994年の起きたシューメイカーレビー彗星の木星衝突のときにFC60mmで3倍バローレンズでOr7mm214倍
で見ると小望遠鏡ではさすが見えないだろうと言われていた衝突痕が見えた時は衝撃でした。
当初言われていたのが普通のアマチュアの小さな望遠鏡では衝突現象はまず見えないと言われていて衝突するだろうころに
公共天文台に行って75センチの大望遠鏡で見させてもらったけど衝突前だったのかシーイングが良く無かったのか
はっきりと見えなかったです
ところが数日後に自宅の小さな60mm望遠鏡で木星表面に黒い点が見えたことに驚きすごく感動したものです、大きな木星
の表面に小さな鼻くそのような黒く丸いものが見えしかもはっきりと、こんな小さな望遠鏡でも見えた世紀の天文現象に出会た
と鳥肌ものでした
その後20年前だったか大阪の望遠鏡ショップKYOEIに立ち寄った時に販売終了をアナウンスしたペンタックスの拡大撮影
用アイピースXP3.8mmが残り一個がたまたま目に入り欲しいと思った時には手に入らなくなる今買っておかないと後悔する
と思い切って買った思い出があります
2003年の火星大接近ではこのペンタックXP3.8mmに2倍バローレンズ併用での263倍にして火星の一番有名な模様
大シルチスもよく見えました、シュメーカーレビー彗星の時と違って所詮口径60mmなのでほかの小さな模様ではそれほど感動
は無かったです
惑星観測ではより大きな口径の望遠鏡よりもシーイングのほうが重要で小口径のほうがその影響を受けにくいともいわるのですが
60mmではさすがに限界があり写真撮影もしませんでした
そんなこんなで私が所有する小さな60mm屈折望遠鏡で惑星を見ることはずっと諦めていたのがFSQ106EDPを手に入れた
ことで久々に惑星にも興味が湧き始めてきて今年10月6日に最接近する火星を見てみたくなり、だんだん遠ざかって今年同等の
大きさで見えるようになるには2033年になるという記事を見ると我慢ができなくなり最新の惑星用アイピースを使ってみたいと
追加で惑星向けアイピースを購入することとしました、それが惑星観測用のアイピースTOE2.5mmです。
火星は表面輝度が明るいので高倍率でもよく見えるのですが手持ちのアイピースではXP3.8mmで139倍Or7mmで75倍と
少々物足りません、昔からあるバローレンズを使いたくても望遠鏡の構造上後群レンズに干渉しそうで使わないほうが良さそうなので
新たに惑星用アイピースを購入しました
TOE2.5mmは530mmの焦点距離なので212倍となり火星は見やすい大きさで見え見え味はさすがに最新設計と径の大きな
アメリカンサイズアイピースだけあり切れというかシャープさは鋭いですがXP3.8mmと比べると木星を見ても火星を見てもなんか
モヤっとする像で模様の色が濃くないです、アイレリーフは長く覗きやすく一流品だと思います
一方XP3.8mmはもともと眼視用ではないのでアイレリーフが短く小さな針の穴を除くようで見にくく扱いやすさでは劣ります
倍率も139倍なので若干火星像もちいさく目を凝らしながら模様を凝視するようになります、でも拡大率が小さいためかコントラスト
もよくいわゆるヌケがいいように感じて模様が濃く見えます、解像度もシャープで切れが良いです。
本来はメーカーが推奨する焦点距離を延ばすエクステンダーQ1.6×を併用するのが良いのでしょうがただ惑星を見てみたいだけなのに
更なる出費となるので難しいです。
今は眼視使用よりも撮影が主体なのでXP3.8mmの出番が多いです
45年前のアイピース
当時特殊なアイピースでした エルフレ32mm
ペンタックスXP3.8mmアイピースの箱
ペンタックス XP3.8㎜
タカハシ Or7mm
タカハシ Or17mm
それぞれのアイピース長さ比較
タカハシ TOE 2.5mm
タカハシ Er 32mm
ペンタックス XP3.8mm
の大きさ比較