6月8日の月です、半月を過ぎたばかりの月です
今回センサーサイズ
ASI462の 5.6mm×3.2mmの1/2.8インチと
ASI294の 19mm×13mmのフォーサーズサイズの
約3倍大きさの違うCMOSカメラでの撮り比べです
トリミングで同じくらいに合わせていますのでセンサーサイズの大きな294では月が
小さく写りトリミングで大きく合わせていているので少々不利です
ASI294
ASI462
望遠鏡を通して天体写真を撮影するには一眼レフカメラをアダプターで取り付けて
撮影するのが一般的です
今ではほぼ見なくなったフィルムの時代では極シビアなピント合わせのために
カメラのカメラのファインダーの中で星が一番小さくなる位置を探るように
ピントリングで合わせるのでは正確なピント位置が出せないので、まず初めに
フィルムの入っていないカメラを装着してから裏ブタを開けてフィルムが通る
レールにフィルム幅の摺りガラスを載せて大きく拡大できるルーペで摺りガラス
に映る星像を見ながら合わせていました、これでほぼピンボケ写真は無くなりました
そして望遠鏡に載せている小さな望遠鏡のファインダーで星図を見ながら対象
の星雲の方向へ振り向けて一眼レフカメラのファインダーを目を凝らして対象を
真ん中に導入したつもりでシャッターを切ったものです
この方法はファインダーで星雲が確認できるものもあればそのほとんどは見えない
ものばかりだったので撮影後にフィルム現像してみて初めて対象の星雲が写って
いるか確認できたのです
後に赤道儀の赤経赤緯の目盛り環を使って導入するという方法を知り活用した
ものです
そして時代がフィルムからデジタルの時代となりライブビューで星像をカメラ
背面のモニター画面に映し出し拡大して合わせることが出来るようになりました。
この方法は機種によって10倍や30倍に強拡大出来ほんの僅かなピントズレ
も確認出来ました
特に反射系の望遠鏡のイプシロン鏡筒では斜鏡を支える支柱で星に十字の光条が
出来てこのずズレを合わせる方法で合わせていました
更に今では望遠鏡のレンズ先端にバーティノフマスクというスリットの入った板
を被せて発生する光条のズレで簡単にピント位置が出せるアクセサリーもあって
より屈折系や望遠レンズでも簡単に正確にピント合わせができるようになった
ものです
写真撮影の一番最初で最も基本的な作業であるピント合わせが終わった後カメラ
のISO設定を最大にして星雲の方角へ望遠鏡を向け短時間露出で試し撮りする
とモニターに星雲が写っていて再度構図を望遠鏡の微調整でほんの僅か動かし
ISO感度を戻して撮影開始です
これまでの一般的な一眼レフカメラによる天体写真の撮影から時代はCMOS
カメラの時代となって来ています
CMOSカメラはカメラの撮像素子のセンサーだけの筐体みたいなもので絞り
の設定どころかカメラの感度設定や露出時間の設定なんてものは一切ありません
パソコンは必須でインストールしたアプリでこれらのすべてを操作し制御します
センサーを通して映し出される画像をパソコンのモニターで確認し静止画や動画
としてをパソコンに保存します
そんなこれまでのような撮影だけでなくライブでモニター画面でリアルタイムで
見ることが出来ます
その機能がライブスタックで実際に肉眼で望遠鏡のアイピースを覗くより淡い
星雲なんかも見やすいです
今回導入したCMOSカメラの試写でASIStudioアプリのライブスタック
を試してみると自動でスタックした画像が保存されていてこれが撮影目的の
アプリSharpCapで取り込んでスタックした画像よりも星雲が濃く写って
いました
どう見ても写り込んだ星の数が多いです
CMOSカメラのASI294MC Proによる球状星団を取り直してみました
球状星団はIR/UVカットフィルターでの撮影となります
結論からすると住宅地なのでLED街灯等の人工灯もあり空のバックグランドが
明るいのかバックの暗さと星の光のS/Nが暗い空に比べて写り具合が良くないです
共通データ
望遠鏡 タカハシ FSQ106 D:106㎜ fl:530㎜ F5
カメラ ZWO ASI294MC Pro
Astro Capure Software SharpCap4.0
画像処理Software StellaImage9
M5 球状星団(へび座)
2022/6/3 22h46m28s
Gain=370
露出時間 Exposure=50s×17
温度 Temperature=-18.2
IR/UVカットフィルター使用
M13 球状星団(ヘルクレス座)
2022/6/3 23h06m22s
Gain=220
露出時間 Exposure=50.000s×32
温度 Temperature=-19
IR/UVカットフィルター使用
M92 球状星団(ヘルクレス座)
2022/6/3 23h44m09s
Gain=300
露出時間 Exposure=40.138s×16
温度 Temperature=-19
IR/UVカットフィルター使用
M56 球状星団(こと座)
2022/6/3 24h00m53s
Gain=350
露出時間 Exposure=20.069s×24
温度 Temperature=-19
IR/UVカットフィルター使用
M107 球状星団(ヘびつかい座)
2022/6/3 24h16m19s
Gain=350
露出時間 Exposure=18.996s×32
温度 Temperature=-19
IR/UVカットフィルター使用
撮影準備間もない時間の銀河です
まだ冷却がしっかりできていないのとクアッドフィルターで露光時間が少なったみたいです
M101 銀河系外銀河(おおくま座)
2022/6/3 21h51m38s
Gain=407
露出時間 Exposure=50.472s×16
温度 Temperature=-1.2
Quad BP Filter IIIフィルター使用
はくちょう座 γ付近の散光星雲
2022/6/3 25h11m57s
Gain=450
露出時間 Exposure=50.000s×24
温度 Temperature=-13.5
Quad BP Filter IIIフィルター使用
網状星雲 NGC6960(はくちょう座)
2022/6/3 25h46m47s
Gain=420
露出時間 Exposure=100.000s×16
温度 Temperature=-19.8
Quad BP Filter IIIフィルター使用
網状星雲 NGC6992(はくちょう座)
2022/6/3 26h26m17s
Gain=420
露出時間 Exposure=100.000s×16
温度 Temperature=-19.8
Quad BP Filter IIIフィルター使用