ZTF彗星は太陽に接近して壮大なダストテイルやイオンテイルが見られるであろう
時期には天候の良くない日が続いたりその後は満月の時期になったりとなかなかその
姿を見るチャンスがありませんでした
でもそんな冬の天気の中やっと素晴らしいという形容がぴったりな真っ青な空の快晴
に日がやってきました天気の変化が速い季節なので夜まで快晴が続くのか心配でした
がそのまま快晴が続き久しぶりのZTF彗星を撮影することが出来ました
だた残念なのが最高の天気なのに最高の空の場所へ遠征しなかったことでまさかここ
まで晴れるとは思わず翌日に予定があったこともあって肉眼でやっと4等星が見える
か見えないかの自宅庭での撮影でした
やっぱりというか非常に淡い彗星のコマやダストやイオンの尾を浮かび上がらせるに
は暗い空でないと満足いく仕上がりにはなりません
画面のいたるところにムラまで浮かび上がるほど協調処理するとイオンテイルは浮か
びあがるのですがムラが醜くなってしまいます
今回は条件が良くない場所と空でしたが日中だと真っ青な空だったこととほぼ天頂に
近かったことで低空に比べて青い光が届きやすい事でイオンテイルが写すことが出来
ました
2023/2/16 19h26m21s
15秒×53フレーム ダークフレーム×7フレーム フラットフレーム×10フレーム
NikonD810A ISO800 FSQ106EDP(D:106mm fl:530mm)
三鷹光機GN170で追尾 ステライメージ9でメトカーフコンポジット合成
2023/2/16 20h23m42s
20秒×100フレーム ダークフレーム×8フレーム フラットフレーム×7フレーム
NikonD810A ISO1000 FSQ106EDP(D:106mm fl:530mm)
三鷹光機GN170で追尾 ステライメージ9でメトカーフコンポジット合成
更に協調処理して少しトリミングしています
最後におまけです
今年2023年は全天の恒星で最高光度マイナス1.4等級であるおおいぬ座の
一等星シリウスはシリウスAとシリウスBの二重星なのですが伴星との距離が
50年周期で最大に離れる頃にあたります
距離にして11.3秒角なので小望遠鏡でも分離できないほど難しい距離では
ないのです、ですがその全天一明るい恒星であるシリウスAマイナス1.4等級
とシリウスB8.4等級の光度差が激しすぎて小望遠鏡では非常に難易度が高い
対象です
兵庫県佐用町にある西はりま天文台にある口径2mのなゆた望遠鏡で巨大なアイ
ピースから見た事がありますが流石の大口径の威力であっけなく大きく離れた
シリウスBが見えたものです
でも我が家の106mm(0.106m)の望遠鏡ではシリウスAが眩しすぎて
そこに存在するのかしないのか見分けることが出来ませんでしたその気になれば
心の目で見えるような気がするだけです
そんなシリウスBを捉えてみようと木星や火星の撮影システムでチャレンジして
みました
どうでしょう時計の短針でいう10時の方向にうっすら見えるような気がします
が如何でしょうか
大きく滲んだシリウスAの光芒との境い目からほんの僅か離れた所に少し薄っすら
とほのかな丸く光の塊があるように見えます、目を少し離してみると見えそうです