今年の年末年始は月齢も新月の時期で最高の条件で、更にほぼすべての日で快晴が続きました。しかも中国からのPM2.5も影響も大変少なくて連夜星見すると体力が持たないような贅沢な一週間でした。
正月の三が日は広大な冬の天の川のパノラマを堪能して今回6日は月が半月で本格撮影が出来る時間が深夜後で天の川から離れることからイプシロン160による星雲の拡大撮影としました。散光星雲ももっと撮りたかったのですが冬の星座に月が近かったので撮影枚数が稼げませんでした。
場所は野呂山山頂のロッジ近くの予定でしたが少々強い風もあったのでロッジ下の駐車場と決めました。既に先着も来ていて名機マークXに望遠レンズ2台乗せとスカイメモRもしくはRSで広角レンズ系での撮影をされていました。
朝まで雲ひとつ無い空と乾燥した空気のお陰と自作フードの内側の布製フェルトが湿気を吸い取ってくれて夜露でレンズが曇ることはありませんでした。でも気温が氷点下2度くらいまで下がっていたので車は窓全面と屋根に霜が凍り付いて、望遠鏡鏡筒も赤道儀も霜が付着していました。足元のアスファルトも凍結していて歩くとツルッとすべる状態でした。
最初は以前から狙いたかったクリスマスツリー星団とコーン星雲です。このコーン星雲はハッブル望遠鏡での写真が有名です。
未改造カメラなのでコーン星雲の赤い色はうっすらとしか写っていませんがクリスマスツリー星団の周りの青く輝く星雲は綺麗に写っています。中央下部分にあるV字っぽい星雲がハッブルの変光星雲です。中央右には名前は分かりませんが黄金色した散開星団があって望遠鏡で見ると綺麗だろうと思います。
クリスマスツリー星団とコーン星雲
2017/1/6 25h43m16s 180秒×7フレーム ISO1600 NikonDf イプシロン160 GN170 トリミング
定番のおおくま座にある大きな銀河外星雲です、M81(7.0等)の渦巻き構造がよく分かりこれぞ銀河というような形です。以前上側の二つの銀河が今まさに衝突しているM82(8.6等)に超新星が発見されています。
M81とM82
2017/1/6 27h35m33s 180秒×5フレーム ISO1600 NikonDf イプシロン160 GN170 トリミング
今回はちょっと変わった形の星雲を狙ってみました
おおくま座の惑星状星雲M97(9.9等)です、ふくろう星雲とも呼ばれていて猛禽類のふくろうの顔そのままです。よくもまあ自然界でこのような形が出来たのか不思議ですが見ていて楽しめる星雲です。視直系が2.8′と小さい惑星状星雲のはずですが撮影してみると結構大きく写りふくろうの顔の様子が分かりますし色も綺麗です。右上の星雲はM108(9.9等)です
M97とM108
2017/1/6 26h34m11s 180秒×8フレーム ISO1600 NikonDf イプシロン160 GN170 トリミング
次はエッジオンタイプの銀河です。銀河を真横から見たらこのように見えるだろうという薄い皿やコインを真横から見たような形の銀河です。
エッジオンタイプの銀河でかみのけ座にあるNGC4565(9.5等)です、視直径は15.8′×2.1′で月の視直径が約30′と考えると大きいですね。右下に離れて見える小さな星雲はNGC4565A(13.5等)、右上に同じくらい離れてほんのうっすら見えているのがMGC4565B(15.5等)と名付けられていてそれぞれは伴星雲なのでしょうか?
NGC4565
2017/1/6 27h1m53s 180秒×8フレーム ISO1600 NikonDf イプシロン160 GN170 トリミング
これもエッジオンタイプの銀河NGC4244(10.0等)です、視直径は16.6′×1.9′でNGC4565とほぼ同じです
NGC4244
2017/1/6 27h54m50s 180秒×6フレーム ISO1600 NikonDf イプシロン160 GN170 トリミング
かみのけ座としし座とおとめ座の真ん中あたりの銀河密集地帯です
左側の大きな星雲からM60(8.8等)直ぐそばのNGC4647(11.9等)少し離れてM59(9.7等)、やや右側の上がM58(9.6等)と下に見えるこれも二つの銀河が衝突している形のNGC4567とNGC4568(10.9等)がです
この形も珍しく見かけ上接近しているのではなく衝突の最中だそうです。
M60、M59、M58、NGC4567、NGC4568
2017/1/6 28h22m39s 180秒×7フレーム ISO1600 NikonDf イプシロン160 GN170 トリミング
拡大すると
M58とNGC4567とNGC4568