Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

日本における男性外科医と女性外科医の手術経験格差

2022年08月08日 | その他
おお、すごい研究だ。
そしてJAMA surgery(impact factor 16.7)に載った。

Kono E, Isozumi U, Nomura S, et al.
Surgical Experience Disparity Between Male and Female Surgeons in Japan.
JAMA Surg. 2022 Jul 27. Epub ahead of print. PMID: 35895067.


日本の女性外科医の皆さん、集中治療に専門を変えませんか?
女性が少なくて困っているのです。
待ってます!
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入院が必要なCOVID-19に対するバリシチニブ、RCTとメタ解析

2022年08月07日 | COVID-19
お、久しぶりにICUチックなCOVIDの治療薬の話。

RECOVERY Collaborative Group.
Baricitinib in patients admitted to hospital with COVID-19 (RECOVERY): a randomised, controlled, open-label, platform trial and updated meta-analysis.
Lancet. 2022 Jul 30;400(10349):359-368. PMID: 35908569.


前回確認してからちょうど半年経ったので、トシリズマブとバリシチニブの扱いについてガイドラインを再チェック。リンクが切れているのもあってちょうど良かったが、推奨はどれも変化なし。

WHO:どちらの薬剤も「severityがcriticalの症例に対してstrong recommendation in favor」
日本:どちらの薬剤も「人工呼吸器管理/集中治療を必要とする重症患者に対する投与については、現時点では推奨を提示しない」
ANZICS:どちらの薬剤も「 Consider in adults hospitalised with COVID-19 who require supplemental oxygen」

WHOのevidence profileの、例えば死亡率を見ると、IL-6 receptor blockersは15/1000 people fewer (high evidence)、JAK inhibitorsは45/1000 (moderate)だったので、この研究で同程度になった、といういうことでは。

患者数、減らないねー。重症患者もだんだん増えてきたし。
そういえば、去年の今頃にこんなこと書いていた。
さすがにこんな状況にはならないと期待したい。

念のため確認。
・人工呼吸患者にはステロイドとIL-6阻害剤かJAK阻害剤を投与
・レムなんとかなど、それ以外の薬は不要
・ステロイドの量を増やしたり期間を延長したりしない
が、現在の根拠に基づいた選択です。
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