先日この本を紹介したら、なんと、著者の方々から献本をいただきました。「紹介するってことは献本してほしいってことだろ」、「無料のところだけじゃなくて、ちゃんと全部読めよ」とか思われていたらどうしよう。。。
冗談はさておき、全部読みました(ついでに、このガイドラインも読み直した)。
全編で、autonomyの概念が非常に強く強調されている。当然と言えば当然のことだけど、この基本を理解していない人は驚くほど多い気がする。厚労省のガイドガインが最初に発表されたのが2007年なので、20代、30代の医療従事者の多くにとっては、働き始めた時にはすでに存在していたガイドラインのはずなのに、読んでない人、少なくなさそうだ。
とりあえず、ガイドライン、読もう。そして、「でも実際にどうやったらいいんだ?」と思ったら、この本を読もう。
それとね、「今やっていることには違和感が強いが、それがどうしてなのか分からない」、「autonomyの重要性は理解しているつもりだけど、他の人に説明する言葉が見つからない」という人にもお勧め。僕は読んでいて、「そうなのか、知らなかった!」と思うところは少なかったけど、「そうか、あのモヤモヤはこれが理由だったのか」、「こう説明すればいいのか」と思うところがとても多かった。受験勉強のように赤線引きまくってしまった。
他にも、
・四分割表の使い方を知りたい。
・「予定手術だから死なすわけにはいかない」と外科医に言われて困ったことがある。
・無益な治療とは具体的にどういう意味なのか知りたい。
・「できることは全部やってくれ」と家族に言われて困ったことがある。
・ICUではquality of deathも重要だ、って本当なのか疑問に思う。
・治療の中止は犯罪ではないかと心配で、行うことができない。
・DNARだったら挿管もしないものだと思っている。
・家族のいない重症患者の治療方針決定で困ったことがある。
・医者が患者中心に考えてくれなくて、困ったことがある。
・看護師にこの治療は無駄じゃないかと言われ、困ったことがある。
・Advanced care planningに興味がある。
という人にもお勧め(って、ICUで働く人全部じゃないか?)。
あなたのICUにも一冊、どうですか?
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