Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

インパクトの大きいRCTにおける複合アウトカム指標

2024年07月18日 | EBM関連
Walker HGM, Brown AJ, Vaz IP, et al.
Composite outcome measures in high-impact critical care randomised controlled trials: a systematic review.
Crit Care. 2024 May 28;28(1):184. PMID: 38807143.


16のhigh-impact journalsに2012-2022年に発表された重症患者を対象としたRCTを調査。194研究中39.1%でcomposite outcome (COM)が使用されていた。COMを使った研究の方がサンプル数が少なかったが、有意差が出る頻度は同等だった。ほとんどの研究でeffect sizeは過大評価されていた。93%の研究において、患者さんにとっては重要ではないアウトカムが含まれていた。

結論は、
”Further work to improve the use of COM in critical care should focus on the design and validation of COM that include patient important outcomes and effectively represent the heterogeneity of the pathologies studied in the critical care literature.”
つまりは、使うなら賢く使おう。おっしゃる通り。

ちなみに、集中治療系のRCTが載るhigh impact journalってどれだろう?
NEJM, Lancet, JAMA, BMJ, Lancet RCCM, AJRCCM, ICM, CCM, CC, Chest
ここまでは当然として、これで10か。あと6は何だろう?
と思ったら。
雑誌のリストは10年前のこの研究と同じものを使用していることが判明。そのせいでLancet RCCMとCCが含まれていなかった(全リストはこちらの2ページ目)。
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