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Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

集中治療医学会総会 in 神戸の感想③

2016年02月15日 | データベース・JIPAD
JIPADの委員会報告をやった。一番大きい第一会場で。ホームページで調べたら、1700人収容できるんだって。
しかーし。
実際のお客さんの数は30人くらい。去年の委員会報告は200人くらいいた気がするのに。
JIPADの人気がなくなったからではなく、日程が悪かった(今年は初日、去年は最終日)せいにしようと思う。
来年の札幌は最終日がいいなー。
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DPCデータを使った日本からの研究

2015年05月27日 | データベース・JIPAD
最近、本当によく見かけるようになった。しかもほとんどの場合で知り合いが絡んでいる。
先週見かけた二つを紹介。

Sasabuchi Y, Yasunaga H, Matsui H, et al.
The Volume-Outcome Relationship in Critically Ill Patients in Relation to the ICU-to-Hospital Bed Ratio.
Crit Care Med. 2015 Jun;43(6):1239-45. PMID: 25756414.


日本の477の病院に入院した約60万例のICU患者さん。病院を、年間症例数と全病床数に占めるICUベッド数の比率とで、3x3の9通りに分類。その結果、年間症例数が多いほうが死亡率は低かったけど、その傾向はICUのベッド比率が高い施設でのみ認められた。

Iwagami M, Yasunaga H, Noiri E, et al.
Current state of continuous renal replacement therapy for acute kidney injury in Japanese intensive care units in 2011: analysis of a national administrative database.
Nephrol Dial Transplant. 2015 Jun;30(6):988-95. PMID: 25795153.


2011年にICUに3日以上在室した約16万例。そのうち3.9%にAKIに対してCRRTが施行され、その死亡率は50.6%だった。

両方とも結果はもちろん興味深いのだけど、日本のICUの疫学データとして見ても面白い。例えば、人工呼吸を要するのはICU症例全体の約30%くらいとか。
ちなみに、敗血症でCRRTを必要とした患者さんの6割でドーパミンが使用されている。ちょっと残念な気持になる。うーん、それは言い過ぎか。いや、残念に思うのは自由だな。
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誰かに仕事を頼むということ

2015年04月10日 | データベース・JIPAD
JIPADというものに関わってます。
Japanese Intensive care PAtient Databaseの略で、日本集中治療医学会が行っている、日本のICUの多施設データベースのこと。
集中治療先進国では国レベルの多施設データベースがあるのは当たり前で、それを用いて、医療資源の分配について考えたり、研究したり、いろいろなことが行われている。日本にも必要なので、普及するように頑張ってます。

学会が多施設データベースを作るというのは、最近はどこもやっていることらしい。でも、学会としてこういうことをやることになったので皆さんよろしく、程度だったり、参加しないとこういう罰則があります、だったり、なんか権力者が強制しているような感じのも少なくない気がする。

JIPADはそういう感じではやりたくない。
各参加者にデータベースの重要性を理解してもらって、参加の意義を感じてもらいたい。でも理想論だけでは無理なので、多施設データの利用権とか、自施設のパフォーマンス評価のための情報提供とか、参加者のメリットとなるものも提供したい。
そうすることにより、データの質が良くなり、データベース全体としてもメリットがある、と思う。つまりはウィンウィンの関係が目標。

研究も同じ。一人でデータ収集して一人で解析するような研究なら気にしないでいいけど、ある程度以上の質の研究ではどうしても他の人の協力が必要になる。数人であれば、共著者にするとか、それこそお金を払うとか、その人のメリットになることを見つけるのはそれほど難しくない。でもたくさんの人が協力するような研究だと、みんなにとってメリットがあるような状況を作ることは簡単じゃない。”医学の進歩のため”とか、それだけでデータ収集の質を維持するのは不可能。上司からの命令だから仕方なしにやってますとか、チョー嫌い。
逆に、相手のメリットをちゃんと考えれば、それが研究の質の向上につながり、結局は自分のメリットになる。

最近、このことを考慮していないように思える出来事があったので、ふと思うことを書いてみた。
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JIPAD

2014年01月17日 | データベース・JIPAD
宣伝し忘れてた。
JIPADのホームページができましたよ。

え?
JIPADを知らないの?
遅れってるー。
仕方がないから教えてあげよう。
Japanese Intensive care PAtient Databaseの略で、
日本集中治療医学会による多施設ICUデータベースのこと。
ボチボチ、症例登録が始まりますよ。

2-3年後には、数万例の巨大データベースになっている、はず。
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