超級龍熱

香港功夫映画と共に

英国忍者、摩天楼に出現!スコット・アドキンス&伊原剛志主演『NINJA』

2009-12-11 12:42:00 | 作品レビュー
先日6月から延々とやって来ましたキネマ旬報社の「中華電影データブック」の最終校正がやっと終わりました。
この「~データブック」についてはまた本の発売時(来月辺りかな)に触れたいと思います。
あと一昨日はジョ二ー・デップの『パブリック・エネミーズ』来日記者会見にも行って来たんですが、いやもう会見場内は女性のマスコミの方々で凄い熱気でしたし、生のジョ二ー本人もクールでカッコ良かったですね。

さて、以前から私自身の超期待作だったアイザック・フロレンティン監督、スコット・アドキンス主演『NINJA』(09)を観ました!映画は甲賀忍者の血を引く宗家武田(伊川東吾)に育てられた愛弟子の白人青年ケーシー・ボウマン(スコット・アドキンス)と、同じく武田の弟子ながらその残忍な性格から武田に破門されたため、習得している自らの忍術を悪事に使うマサズカ(伊原剛志!)の2人の忍者が、日本、ニューヨーク(実際は全てブルガリア・ロケ)を舞台に、遥か昔から甲賀に伝わる忍者櫃を巡り壮絶な死闘に挑んでいく、という展開です。
今回この『NINJA』のアクション監督はクレジットにはAkahiro Yuji Noguchiとあるので恐らく野口彰宏だと思いますが、劇中でのスコットのアクションは相変わらず電撃の関節技やアクロバティックなキッキング・テクニックを織り交ぜた脅威的なアクション・パフォーマンスとして画面一杯に炸裂しています。
特に映画の中盤のケーシーが疾走する地下鉄の車内で宗家の娘の波子(肘井美佳。本人も体当たりで激しいアクションに挑んでいて、今回の彼女の頑張りは十分に評価出来ます)を守りながら襲いかかる刺客集団と繰り広げるド迫力の大乱戦は素晴らしい完成度で、私もこのシーンでは「流石にフロレンティン&スコットのコンビ作品!」と興奮しました。
あと悪の忍者マサズカに扮した伊原剛志も実に堂々とした悪役振り(但し英語の台詞は吹き替え)で、私が事前に心配していた既製の欧米産忍者映画で多々見られた東洋思想&忍者を妙な形で解釈したヘンテコな悪役忍者を演じさせられる事もなく、そのまるでバットマンのような邪悪忍者コスチューム姿のカッコ良さも含めて、私は今回の伊原剛志の海外進出第2弾『NINJA』出演は成功だったと思います。
ただ映画のクライマックスで大都会の路上で突如全身忍者ルック(涙)に変身したケーシーがマサズカと展開するやや淡白な一騎討ちも含めて、フロレンティン&J.Jペリー&スコットの“鉄三角”がこれまでの作品で構築して来た、それこそ観ている私たちが思わず息を呑んで見入ってしまうほどの剃刀のような切れ味&怒涛のアクションの連打!連打!また連打!の興奮&爽快感は今回の『NINJA』からは感じられなかったのがちょっと残念でしたね。
やはり私、龍熱にとって現時点でのアイザック・フロレンティン&スコット・アドキンスのベスト作品は依然『デッド・ロックⅡ』(06)である事に変わりはありません。
ちなみに本作『NINJA』の武術顧問はあのサンタアナ糸東流空手玄武会総本部会長で、リーさんことブルース・リーとも親交があった(少なくともマックィーンとのスリーショット写真は現存)武道家の出村文男さんが担当していて、ご本人は今回の『NINJA』にはサイの達人役で出演もしていました。
コメント (6)
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