超級龍熱

香港功夫映画と共に

“香港のブロンソン”vs空手高手染野行雄!陳星&陳恵敏主演『飛虎神探』(第一)

2009-12-20 01:09:26 | 作品レビュー
相変わらず原稿書きが続く毎日ですが、先週は息抜きも兼ねて知り合いのライターさんから「龍熱さん、これはお薦めですよ!」と言われて気になっていたクリスチャン・ベール&ラッセル・クロウ主演の西部劇『3時10分、決断のとき』(07)を観ました。いやこれは良かったねえ!ラスト辺りで主人公2人が銃弾の雨の中を駅に向かって疾走するシーンはもう画面に釘付けだったもんね。いやはや久々に“男騒ぎする熱い西部劇”を観せて貰いました。
あと別の知り合いのコレクター氏からも古き良き50年代モンスター映画を大量に頂き大感激!もう『死の大カマキリ』(57)とか『大怪獣出現!』(57)とか『怪獣ウラン』(56)とか『タランチュラの襲撃』(55)とかメチャに懐かしいし、昔に紙ジャケ(ビデオをジャケの下から入れるあのタイプ!)3倍モードの海外VHSで買い揃えていたタイトルが今回DVDの高画質で揃って本当に感謝感激です!!あ、『死の大カマキリ』って言っても邵氏武打片で劉家良導演作品『激突!螳螂拳』(78)じゃないのよ~ん(笑)。

さて、昨日は無性に70年代のクンフー映画が観たくなって、黄卓漢率いる香港第一影業機構作品で、江洪導演、陳星&陳恵敏主演『飛虎神探』(75)を観てみました。この映画は昔に入手した時に一度サラッと観ただけだったんですが、今回ジックリと観直してみて、私が所有している本作のVHSが韓国製VHS(北京語音声&ハングル字幕)だった事にやっと気が付きました(苦笑)。でもこの『飛虎神探』って肝心の香港や台湾でこれまでにVCDやDVDになった事ってあるのかな?
で、私がまず本作のオープニングのクレジットで思わず「おおっ?」となったのが、本作の武術指導を袁和平(黄家雄との共同。黄家雄は出演もしています)が担当している事でした。
映画の物語自体(海外ロケ敢行)はハングル字幕のみなのでかなり把握が厳しかったんですが、主人公の陳星が弟分でナイフ使いのヤクザ者である陳恵敏の犯罪トラブルに巻き込まれた果てに、最後には自分の愛娘を悪漢たちに誘拐され怒りが爆発!得意の空手殺法で片っ端から悪党共を打ち倒していく、という展開のようです。
他の出演者には張力や陳炳熾(一説にはブルース・リーことリーさんのウェート・リフティング仲間で、リーさんを倉田保昭に紹介した人物。と言うかこの人、役者として『ドラゴンへの道』(72)などに出演してはいますが、どちらかと言うと武打星と言うよりも殆ど遊び人だったそうです)も顔を見せていますが、私は映画が約1時間過ぎた辺りで敵の用心棒役として画面に登場した武打星にまたまた「おおっ!?」と興奮してしまいました。
その武打星こそが当ブログでは既にお馴染みの日本人武打星にして本格派空手高手の染野行雄さんなんですねー!
それも映画の終盤では激しい銃撃戦の最中、陳星と染野さんがお互いにマシンガンを構え合い、まず染野さんが「カチッ!」と引き金を引くと弾切れ!それを見た陳星が「ハッハハ!」と高笑いしながら、思わず手からマシンガンを落とした染野さんに向けて自分のマシンガンの引き金を「カチッ!」と引くと何とこちらも弾切れ!それを見た染野さんが「うりゃああ!」と陳星に素手で襲いかかり、“香港のチャールズ・ブロンソン”vs“日本人空手高手”の闘いが始まる!という中々スリリングな対峙シーンが見られました。まあこの後、陳恵敏の方は陳星の愛娘を守ってマシンガンの銃弾で全身を撃ち抜かれて壮絶死してしまうんですが、主人公の陳星は自分の愛娘を連れ出しセスナ機に乗り込んだ悪ボスを執念で追いかけ、最後は飛行するセスナ機の機内での乱闘から悪ボスを大空に蹴り出し、哀れ悪ボスは転落死!それを見届けた陳星は無事に愛娘と共にセスナ機を着陸させて劇終です。
最近数多くの協利公司作品が国内でDVDリリースされる事でファンを喜ばせている中、協利作品と同じように70年代に数々の秀作を生んだこれら香港第一影業機構作品や思遠影業公司作品も、是非何らかの形で再評価される機会を与えて欲しいと思います。

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