パンと珈琲日記~整形外科じゃなくて成形~

パン焼きと珈琲を趣味とするある整形外科医の日記

ロースト・ターキー

2011-12-24 23:19:06 | BBQ
クリスマスで休みということもあり七面鳥をローストした。昔、アメリカにいた時、( El Cheapo )
Brinkmann というスモーカーでクリスマスに半日かけて七面鳥を調理して本当にしっとりうまくできたのでそれを目指した。スモーカーで最後まで調理する予定だったが、温度が90度以上に上がらず、これでは12時間以上かかってしまい、食べるのが夜中になってしまうため最後は仕方なくオーブンで加熱した。少し油断したため、肉の内部温度が80度以上となってしまいややしっとり感が失われてしまったが、briningを行い、前回の本邦初紹介(?)であるモモを上に吊るして全方向から熱と煙が当たるようにする方法でムネ肉もパサパサとならず、皮もパリッとして美味しくできた。






先日、妻がskypeでクリスマスに七面鳥をスモークする予定だとアメリカの恩師と話をしたら七面鳥は感謝祭には食べるけどクリスマスには食べない、と言われたそうだ。クリスマスディナーは年によって色々な物を食べると言っていたとのこと。ちなみ去年はローストビーフ、今年はラムだそうだ。アメリカでは皆、感謝祭もクリスマスも七面鳥、とずっと思っていたが、人によって違うのか、あるいはクリスマスに七面鳥は一般的でないのか。どうなんだろう。





Brining

七面鳥が2kgと小ぶりだったので塩7% 砂糖 3%の溶液に3時間浸した。
ざっと水洗い後、水気を拭き取り、マサラオイルに白胡椒とオリーブオイルを足したものを皮にすり込んだ。中にセロリ、タマネギ、ニンニクを入れてモモを上にして吊るすようにスモーカーへ。仕上げのオーブン加熱の際、全体にバターを塗った。温度は180度だったが、130度程度でよかったかもしれない。

グレービーソース

一緒についてきた首、砂肝、レバーに塩、コショウ、小麦粉をまぶし、ルクルーゼで香味野菜とざっと炒めた後、200度のオーブンへ。ある程度香りが出たら水とワインを加えて出汁をとる。小麦粉でトロミがつくのでこして味を整えて出来上がり。

Cornish Hen 鶏・処理法と本邦初紹介?の焼き方

2011-12-24 07:16:19 | 料理
先週末、アメリカ Tyson社製 コーニッシュ雛鶏 を購入して調理した。Tyson社は" We're chicken!"というのが宣伝文句の世界最大の鶏生産者でアメリカにいた時によくここの鶏を食べていた。渡米する前はアメリカの鶏=ブロイラーで水っぽいのでは、と思っていたが、実際食べてみると意外と肉がしっかりしていて日本で普通に買う鶏よりも味も良く美味かった。アメリカでは鶏はほとんど骨付きで売っていて調理すると骨から旨味が出るためもあるかもしれない。

実はコーニッシュ雛鶏はアメリカにいた時には食べたことはなかったがTyson のラベルで懐かしさもあって購入してしまった。届いた時にSkypeで妻が彼女のアメリカの大学の恩師としゃべっていてパッケージを見せたら 「オー コーニッシュ ヘン! Tyson の?それおいしいよね!」とか何とか言っていたそうなので一般的なアメリカ人の日常的な食べ物で好きな人が多いのだろう。大体アメリカの倍ぐらいの値段で購入したようだ。輸入なので仕方がないが、TPP締結後は安くなるのだろうか?



冷蔵庫のあり合わせの野菜とローストした。10インチのスキレットに2羽がちょうどいい感じに収まる。雛鳥という事もあるが、briningというテクニックを使い、鶏の置き方を工夫したため(後述)胸肉もジューシーに仕上がった。



1. 鶏の処理ーbrining

ボンジリと首をハサミでカットする。
ここの部分はさっと湯がいて小麦粉をまぶし、ネギ、ショウガ、ニンニク、その他香味野菜と炒めてワイン、水、にがり少々と茹でて出汁を取っておく。

briningという処理をする。これはスカンジナビア地方由来の肉を柔らかくするテクニックで豚と鶏に有効である。牛肉には効果が無い。肉の中に入った塩分のおかげでグリルの最中でも水分が保持され焼き上がりがしっとりジューシーになる。塩辛くなってしまうので漬け込み過ぎには注意しないといけない。短時間で表面に近い部分しか塩分が浸透しなくても効果は出るので漬け込み足りないという心配はそれほどしなくて良い。
具体的には3~7%の食塩水に30分から半日程度、漬け込みをする。漬け込み塩水にスパイス、ハーブなど入れる人もいるらしいのだが、ここで香りづけすよりも焼く直前に肉にすり込んだ方が少量で効果的で無駄にハーブやスパイスを使わなくてすむ。時間と濃度は肉の大きさによって変わる。大型七面鳥などは7%半日漬け込むが、今回は小さいので5%30分とした。

brining後はさっと水洗いをして表面の塩水を落とし、水気をペーパータオルでふき取り、スパイスを練りこんだバターを皮の下に練りこみ(皮が切れやすいので注意)お腹にスパイスと香味野菜をつめて野菜を敷きつめたスキレットに脚を縛っておいて上からワインを注ぐ。この時、鶏の置き方にもポイントがあって横に置くのでは無く、写真の様に必ず縦にそれもモモが上になるようにする。こうする事によってモモの余分な水分が落ちてしかもモモが全面均等に焼かれ皮がパリッとするだけで無くモモの水分がムネ肉に落ちてパサつきがちなムネ肉がしっとりする。
この焼き方はまだ日本では誰も言っていない方法のようだが、とても効果的だ。
来年あたり有名な料理研究家に紹介されて流行すると思う(笑)。


2. 焼成

180度のオーブンへ投入する。約1時間焼く。時々、スキレットに落ちて来た出汁を鶏にかける。最後の10分程度、オーブンの温度を200度にあげるといい感じに焦げ目がつく。焼きむら防止のためスキレットの位置、鶏の位置を時々変えてやる。

スキレットにたまった汁は首やボンジリでとった出汁に混ぜて少し煮つめる。バターを少々加える。最初に加えた小麦粉のおかげでトロミがつき、グレービーソースの出来上がり。