今日は昼から雨・・・昼からは私の大好きな「マンダはん」(『難波金融伝ミナミの帝王』)が放映される予定なので、それを見ながら洋裁でもしようかと思い、曇り空のなか午前中に買い物に行ったり銀行に行ったり・・・。ちょっと息抜きに本屋で立ち読みでもしようかと、子供と一緒に本屋さんへ寄りました。
新学期間近だからか、並べられている本たちもいつもとはちょっと違う感じ。子供の絵本コーナーには、懐かしい絵本や最近復刻された童話などが所狭しと並べられていました。
そんななか、私が子供の頃、初めて「泣いた」本を発見!
かなり有名な絵本だし、読んだことのあるひとも多いと思うのですが、簡単にあらすじを説明すると・・・片手に指がないため、幼稚園のままごとで「おかあさん」の役をやらせてもらえないさっちゃん。ある日そんな理不尽な不満が爆発、幼稚園を脱走してお母さんに「どうして自分には指がないのか」と悲しみをぶつけるのですが・・・といったお話です。
初めて読んだときは小学校低学年くらいで、その当時は、障害を持ってうまれた「さっちゃん」が不憫で、「さっちゃん」のやり場の無い怒りと悲しみ、そしてそれを受容していく心の変化に涙したわけですが、今日改めて立ち読みし、再び涙腺が決壊してしまいました・・・。ただその「決壊点」が以前とは違っていて・・・。さっちゃんに「どうして指がないのか」と問い詰められるお母さん。きっと障害をもって生まれてきたわが子のことで必要以上に自分を責めたこともあったでしょうね。そして「指はいつか生えてくるのか」と尋ねるさっちゃんに、涙をこらえながら生えてくることはないことを説明しなければならない・・・。
障害を持って生まれてきたことは「個性」ではあるけれどそれを「個性」として乗り越え、「個性」として認めることはきっと容易なことではないでしょう。そしてそれを理解するには幼すぎる「さっちゃん」・・・。
あぁ・・・いつのまにか同じ絵本でも「母親」の立場で読んでいるものですね。そして本のタイトルにもなっている「まほうのて」・・・お父さんがさっちゃんに話したこの一言で、さっちゃんは障害を受容するのです。子供のころは気が付かなかった「お父さん」からの愛情・・・涙腺、再び決壊。
いい本なので購入しようかとも思いましたが、うちの息子にはまだこの本の真意は難しいかな・・・と思い、買いませんでしたが、いつか息子にもぜひ読ませたい本です。
”指の無い自分”と言う自我を乗り越え、それを受け入れて”超自我”へと至る過程は、高度に心理学的でもありますね。
子供の頃に読んだ頃は、子供心ながら「な~んかこういう本って説教くさいねんな・・・」と思っていましたが・・・大人になってから読んでみると、ほんと以前には読み取れなかったものがたくさんあり、とても得した気分でした。機会があったらぜひ読んでみてください。ハンカチをお忘れなく・・・。