桜餅には関東の長命寺桜餅、関西の道明寺桜餅がありますが、どちらがお好みですか。
前者は小麦粉、白玉粉の生地を薄く焼いた皮ですし後者は蒸したもち米を乾燥させ粗く砕いた道明寺粉を吸収させ蒸し砂糖を加えた生地。
漉し餡の前者つぶ餡の後者・・・・私は道明寺派です。しかし共通するのは包まれる葉なのはご存知ですか。桜は約250種有るそうですが、桜餅に使われるのはオオシマザクラという若葉の塩漬けです。
その理由は色形が美しく、表面の毛が柔らかく香りがよいからだそうです。春に若葉を摘み、洗った後50枚ほどにまとめ約23%の塩水で樽漬けにするのです。するとあの香ばしく甘い香りの正体のクマリンが生成される訳です。
クマリンは揮発性の物質なので、あの香りが生きるのです。昔からの先人の知恵と技術が生み出したものなのですね。
さまざまな こと思い出す 桜かな 芭蕉、
東北の方々、日本人はこの春は忘れられませんよね。道明寺粉は幼少の頃母がおやつに作ってくれた思い出なのです。