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髑髏フラワー

ママの口ぐせお花はドクロ!

10月9日 DCPRG@日比谷野外大音楽堂

2010-10-10 | ライヴレポート
10月9日(土)日比谷野音に、Date Course Pentagon Royal Garden(デートコースペンタゴンロイヤルガーデン、以下DCPRG)のライヴを見に行ってきた。

DCPRGを一言で説明…するのは難しい。

主幹である菊地成孔氏の言葉を借りれば「ジャズ、特に70年代マイルスと、アフロビート、特にフェラクティ以後を脱構築させた様なダンス・ミュージックで、3時間ぐらいライブをする」とのことだが、意味がよく分からない。

QuickJapan38号のインタビューから抜粋すると「全員がバラバラにグルーヴしていて、中心がないようなシステム」「テープレコーダーを10台並べて、そこから流すのは全部ダンスミュージックで、しかも全部タイムがずれていればカオスになる、それが果たしてダンス衝動に繋がるのか」といったところだ。やはり意味が分からない。

ともかく、腕利きのミュージシャンが10名以上集まり、全員がバラバラのリズムで演奏をして、観客は好きなタイミングで踊りまくる。そんなバンドだ。
以下、バンドメンバー(菊地さんの日記より)。

菊地成孔(オルガン/コンダクツ)
坪口昌恭(キーボード)
丈青(キーボード from J.A.M/soil&pinp sessions)
TAKUYA(ギター 元ジュディ&マリー)
田中ちゃん(ドラム from 東京芸大/ペンギン音楽大学)
千住宗臣(ドラムfrom COMBO PIANO)
アリガス(ベース from ペンギン音楽大学)
大儀見元(パーカッション)

佐野昌邦(サックス from 南博GO THERE!)
高井汐人(サックス 元ペンギン音楽大学/元東京大学)
佐々木史郎(トランペット)

ヨスヴァニー・テリー(サックス)
リッチー・フローレス(コンガ)


私は、このバンドを過去に一回だけ見た事がある。
以前から見たい見たいと思っていて、やっと見に行ったライヴが、解散ライヴだった(当日にその場で発表された)。
最後の曲は、腕利きのメンツが全員楽器を持ち替えての「HEY JOE」だった。
ボロボロの演奏に、笑いながら泣いた記憶がある。
それから4年が経過して、まさか再始動するとは思わなかった。


結論から述べると、日比谷にグルーヴの神が降臨した。
土砂降りの雨の下、最高に気持ちよく踊る事が出来た!

当日は時間に余裕があったにも関わらず、遅刻した。
会場に到着したときには、トップバッターの小林桂さんのDJが始まっていた。

猛烈な雨。

私はともかく腹が減っていたので、屋台の大盛り焼きそばを購入し、木陰で雨を凌ぎながら食べた。木陰で傘を差しているのに、雨水が降り掛かる。
カバンに入れた携帯が水没するかと心配になるほどだ。

入場の列が長く続いていて、場外ではテキ屋さんによるカッパの販売が威勢よく行われている。
知らなかったが、野音は傘は禁止らしい。もちろん自分はカッパを持参してきた。
大盛り焼きそばを立ったまま食べて、雨に濡れないように木陰でカッパを装着する。
カッパのボタンの隙間から雨水が浸入することが予想されたので、カバンは背中側に回す。

そしていよいよ会場に入った。

私はBの8列という座席で、ステージに向かって左側の真ん中あたりだった。見通しはかなり良い。まったく飲む気がしないが、一応ビールを購入して座席に着く。

ステージでは小林桂さんのDJプレイが始まっている。
かなりグルーヴィな音楽だ。ゆらゆらと自然に身体が揺れてくる。
しかし、見渡せば会場の観客はすべてカッパを着ている。
かっぱを着て、座ったり立ったりしながらみんながゆらゆら揺れている。
ちょっと不思議な光景。

続いて、ヨスヴァニー・テリー&リッチー・フローレスによる、サックスとコンガの演奏。
「雨乞いかッ!」と突っ込みたくなるほどにザッと雨足が勢いづいた。
サックスがリズムを、コンガがメロディーを奏でるようなプレイを楽しんだ。

ばしゃばしゃと雨が降りしきるが、やや身体は温まる。

二人のプレイが終わると、ここで我らが主幹、菊地成孔さんと、坪口昌恭さんがステージに現れる。
菊地さんは、変な帽子をかぶっている。おしゃれなんだろうと思う。

上手く説明できないが、ファンの方なら分かると思うが、菊地さんのキーボードから「ピニョ~」と不安な音が流れ、客席は盛り上がる。

SET LIST(参考Twitterの@xmizuさん)

菊地さん坪口さんのインプロ
Perfect Days For Jungle Cruise ジャングル・クルーズにうってつけの日
PLAY MATE AT HANOI
Structure 2: La Structure Del'amérique Médièval
CIRCLE / LINE ~HARD CORE PEACE

アンコール
MIRROR BALLS

DCPRGの菊地さんは「指揮者」なので、ステージの真ん中で、我々に背を向けて演奏する。
そして、次々と指揮を下して、バンドの演奏をコントロールする。

「Perfect Days For Jungle Cruise ジャングル・クルーズにうってつけの日」
は、CD音源とはまったく「別物」と言ってもいいほどにグルーヴィーに変化した。
小さな川の流れが少しずつ集まって来て、指揮官の命令でいきなり「大河」になるイメージ。
ドスン!とグルーヴが来る。
この曲でこんなに頭を振るとは思わなかった。

「PLAY MATE AT HANOI」
は、音源にわりと忠実だったかも知れない。
一番好きなアルバム「REPORT FROM IRON MOUNTAIN」からのナンバー。

「Structure 2: La Structure Del'amérique Médièval」
ここで気持ちよくなってきて、ビールを追加で買いに行った。
客席の後方では、ビールを片手に、カッパを着込んでゆらゆら踊っている人が多数。
私も混ざって、しばらく後方で楽しんだ。
二台のドラムによる、不定期か定期か分からないバスドラの音と、ベースのアタック音が、まるで花火の爆発音のように聴こえた。

「CIRCLE / LINE ~HARD CORE PEACE」
ここで雨が絶頂になったと思う。
しかし、その雨と連動するかのように日比谷はグルーヴした。
大儀見元さんと、リッチー・フローレスさんの素晴らしいコンビネーションから、最後に向かって、もの凄いエネルギーを雨空に放つ。これも、CD音源とは迫力が違った。
頭を振りまくった。濡れるとか濡れないとかはもう関係ない。

私はカッパのフードを脱いだ。
そして回りを見渡すと、ほとんどの人がカッパのフードを脱いでいた。
開始直後はフードの三角頭ばかりだったのだが…。
雨が顔面に叩き付けられて、メガネもびっしょりと濡れてしまったが、そんなのはどうでもいい。

ここで本編は終了し、一度メンバーが下がって、すぐに戻ってきた。
私は、日ごろPerfumeで鍛えている気色悪い声で
「な~る~よ~し~!」
と声援を送った。
それ以降、時おり会場のあちらこちらから「成孔コール」が発生していた。

DCPRGが再始動するにあたっての簡単な説明とメンバー紹介。

そして…。

「今日はコッテリしていたので、最後は甘いスイーツを」

ここで最後に「MIRROR BALLS」が来た。
DCPRGの楽曲の中でも、一番か二番目に好きな曲である。
前述した「解散ライヴ」では披露されずに、この曲を生で聴く事ができず、ずっと心の片隅にひっかかっていた。

それが目の前で始まった。

始まった瞬間に雨空に向かって吠えた!

この曲は指揮官が命令を下さなくても自動?で演奏が流れて行くために、指揮官は楽譜などを紙飛行機にして客席に墜落させる作戦を敢行していた。
土砂降りの中、みんなで手を叩いて音楽に乗る。


後半にかけての盛り上がりは、予想をはるかに越えていた。
誰もが、雨などを気にせずに盛り上がっていたと思う。
雨でグシャグシャになりながらも、幸せな気持ちで家路につくことが出来た。
年内の京都には行けないが、年明けのライヴには必ず行こうと思った。

最高だったー!
コメント
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