髑髏フラワー

ママの口ぐせお花はドクロ!

ぉ肉のエアーズロック!ライヴレポート

2011-01-26 | ライヴレポート
「この話とPerfumeがどう言う関係があるんだ?」と思った君の目はマカロニだ。
真のパフューマーとしてはまだまだ道のりは長いだろう。
東京ドームで「お~にく~♪」と叫んだ真のパフューマーのあなたなら理解できるだろう。
私はにんじんチームでした。

別に最近のPerfumeにネタが無いとか、そういった訳ではない。ただ、新しい情報が足りないだけだ。

と言うわけで、ぉ肉のステージングの研究、調査のため、真のパフューマーである友人たち5名と、市ヶ谷の鉄板焼き屋「大木屋」さんに向かった。
「肉 エアーズロック」で検索すれば一発で出てくるお店だ。

金曜日の夜だったので、満席だった。
予約は5名からで、メニューは3500円のコースのみ。これにドリンク代がプラスされる。

テーブルの上には、調味料などは一切置かれていず、鉄板が静かに横たわる。
Perfumeと同じく、実にシンプルなステージ。
ぉ肉の「本質」だけで勝負をかけようとしている気合がビンビンに伝わる。

イントロはビールで乾杯。



まずは、カツオの叩きが提供される。玉ねぎがさっぱりしていて食べやすい。あっという間に皿は空虚で埋めつくされた。
気を良くしながらビールをグイグイやっていたのだが、まさかこの「さっぱり感」が、この後の衝撃をより強調するための序章だとは、その時には気付くはずもなかった。

店員さんが腕をブルブルさせながら(大げさ)持ってきたそれに、我々は度肝を抜かれた。



絶対故障だ~♪てゆーかありえなーい♪

まさに「ぉ肉のエアーズロック」である(正式な名称は「リブロースステーキ」です)!

店員さんに「触らないでくださいね!」と注意される。
触るとどんな悲劇が待っているのか興味を惹かれたが、ここは静かに待つことにした。
しかし…大きい。
「こんな大きな肉塊が果たして美味しいのだろうか…?見た目だけなんじゃないだろうか…?」という不安が胸に広がる。
Perfumeが常に「崖っぷち」に立ちながらも前を見て歩く姿勢とダブる…。



長い時間をかけて裏返し、ニンニクを載せてさらに火を通して行く。



我々は不安な気持ちを紛らわすように、無理に明るく装ってPerfumeの今後の展開などについて話し合い、目の前の肉塊のことを忘れようとしていた。
しばらく待つと、店員さんがやってきて、いよいよぉ肉の切り分けパフォーマンスに入る。



やはり…中までは火が通っていない…。

「な、中まで火が通っていない!」

不安のあまり、私が叫び始めると、幹事であるHさんが

「鉄板で焼けばいいよ」

とアドバイスをくれた。

そうだね。

鉄板の上で激しく肉汁を出しながら水蒸気を上げるそれを恐る恐るつかみ、自分の手元で軽く焼く。

タレなどはない。塩とコショウの味付けだけでいただくのだ…。









「んまい」

という一言を残し、私はすかさず次の一切れに手を伸ばす。
今度はあまり焼かずに、すぐにそれを口に含んだ。

「やらかい」

また一言だけ発し、次の一枚に手を伸ばす。
程よく焼けたニンニクと一緒に食べてみる。

先ほどまでべらべらと喋っていたメンバーは、急激に真顔になり、肉を口に運ぶ作業に夢中になっていた。

この肉の塊は、見た目だけでなく、最高に美味しかった。タレなんかいらない。
火の通っていないレアな部分の柔らかさと、塩コショウがしっかりと効いた外側の程よい硬さに、ニンニクの食感がアクセントになる。
素晴らしいライヴだ!

ほとんど無言のまま食べられ、肉塊はセブンスヘブンに旅立った。
ビールの存在を思い出し、慌てて店員さんに声をかける。
我々は夢心地のまま、次のパフォーマンスを待っていた。

店員さんが腕をブルブルさせながら(大げさ)持ってきたのは、大粒の牡蠣と長ネギ。
スーパーなどで見かける牡蠣とは大きさが違う、本当に大きい。
海の幸→ぉ肉→海の幸というメリハリのあるセットリストだ。
バターを溶かし、長ネギと一緒に炒める。





程よく焦げ目がついたところでいただく。
ここも、ほとんど誰も喋らずに終わった。
牡蠣の火の通り具合がちょうど良く、硬くならずにぷりぷり感を維持し、そこに長ネギのシャッキリ感が付き添う。それを濃厚な牡蠣の汁と共に味わう。
完璧な計算で作られた、嬉しくなる美味しさだ。

1・カツオのたたき
2・エアーズロック
3・牡蠣

ここまでのパーフェクトスタイルなセットリストに、我々は熱狂した。

次に店員さんが腕をブルブルさせながら(大げさ)持ってきたのは、もはや「武器」としか言いようのない大きさのメンチカツだった。



メンチカツを中央に置き、クレイジーな分量のキャベツを振りかける。
キャベツがしんなりしてきたら店員さんがソースをかけて完成。



ヘラでメンチカツを割ると、肉汁がキャベツ方面に溢れ出して行くのを目視した。
その肉汁と共にしんなりしたキャベツとメンチカツ。
火が通ってなくてしゃっきりしたキャベツとメンチカツ。
まるで、メンチカツで顔面を殴打されているような衝撃。
牡蠣で口の中が海フレイバーで溢れているところに、再びぉ肉の総合商社。

食べるのに夢中になって、正直ビールが進まない。
というか、ビールを飲んでると美味しいものを逃してしまうような恐怖。
これも、鉄板上の滞在時間は短かった。

いよいよステージは感動のアンコールに入る。

店員さんが腕をブルブルさせながら(そんなに大げさではない)持ってきたのは、もんじゃ焼きである!
これを頭からかけられたら、間違いなく窒息死するレベルだ。



腕が女子高生の脚ほどもある怪力のJさんが、苦しそうな顔で必死にボウルをかき混ぜ、まずは半分を焼く。



書きながら腹が減ってきて苦しい。

これも文句無しで美味しかった!
紅ショウガの存在がきらりと光っていた。

画像だけを見てると、わりとコッテリした印象かもしれないが、セットリストを通して、胸焼けするような感覚は覚えなかった。翌日にも残らなかった。
残ったのは大きな満足感だけだった。

綿密に計算されたステージングだったと思う。
お相撲さんが5人で行ったら足りないかもしれないが、一般の人たち5人で行けば、十分に満足出来る分量。
これで、ドリンク代を入れて5千円ちょっとだった。
コストパフォーマンスは高い。
そして、楽しかった。

「ぉ肉が食べたい!」
という人を連れて行きたくなるお店だ。

結論。
かしゆかと行きたいっス!


SET LIST
1・カツオのたたき
2・エアーズロック
3・牡蠣
4・メンチカツ
5・もんじゃ焼き
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Perfume乾燥注意報発令中!

2011-01-23 | Perfume
毎年のことなので分かってはいるのだが、Perfumeの「冬」は長い。
「冬」とは、年末のメディアラッシュを終えての三人の「休暇」のことだ。
年が明けてからのメディアへの露出がほとんど無い。

もちろん、我々の目に見えないところで忙しく次の準備をしていることだろうと思う。
2月からのキリンの「氷結」のCMに新曲が使われることも確定しているし、来月には東京ドームのDVDと写真集(会員限定)が発売されるし、今月末には「オンタマカーニバル」に出演もする(行きます!)。
そして、足音は聴こえないがアルバムもすぐ近くまで来ているはずだ。

紅白に出演して、Perfumeを知らない層に興味を持たせたとしても、年が明けてこれだけのあいだメディアの前から姿を消していれば(特に正月などは芸能人に取っては「書き入れ時」だろう)、ファンではない世間の人たちからは「消えた」と判断されてもおかしくはないと思う。

ちょっともったいないな、とは思うものの、数年前から三人は正月に充電をしているようだし、充電した分だけの放出もしてくれているので、ファンは静かに春の訪れを待つだけだ。
もちろん、三人にはしっかりと休息を取ってほしい。

この時期の乾燥した空気と相まって「パフュー欠」の症状が一番酷くなる季節。

しかし、考えてみればこれは凄いことなんだと思う。

ライバルたちがしのぎを削って切磋琢磨している年始の動きに合わせる気配が一切ない(個人的な感想としては、Perfumeにライバルは存在しないが)。

「帝王学を学んだのかッ!」
とツッコミを入れたくなってしまう。

ちょっと想像するだけで分かるが、芸能人という人気商売の世界に身を置きながら、これだけしっかりとメディアから姿を消すことは、相当の胆力、肝っ玉がないと出来ないことだと思う。
並の神経の持ち主だったら、恐怖の圧力に負けてしまうだろう。

しかし、Perfumeは沈黙する。

ファンは静かに春の訪れを待つ。

これは「信頼」なんだろうなと思った。

Perfumeの三人、あ~ちゃん、のっち、かしゆかは、我々ファンを「信頼」してくれているからこそ、しっかりと休息を取っているのだな、と。

言うまでもないが、私はPerfumeがメディアからちょっと姿を消したくらいでファンを辞めたり浮気することはない。
むしろ、この枯渇状態を利用してPerfume貯金を始めたくらいだ。

Perfumeファンの「根強さ」は、こういった「枯渇」が育てているのかもしれない。
春の息吹が待ち遠しい。

結論。
かしゆか好きっス!

コメント (4)
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Perfume のっちは「漢(おとこ)の中の漢!」

2011-01-16 | Perfume
以下の文章はすべて「妄想」です。
と言うか、このブログの文章はだいたい「妄想」です。


ここのところ、毎週末にWOWOWで放送されて東京ドームの映像を見ている。

この映像を見ていて、ついつい目が行ってしまうのは「のっちの格好よさ」だ。
以前にも書いたが、やはり「GAME」の時が一番格好いい。
センターでダンスするのっちはまるで、「Perfumeのすべて」を背負っているように見えるほどだ。

私がのっちの格好よさにしびれたのは、「Hot Stuff 30th Anniversary『BLACK AND BLUE』」に出演したときの「エレクトロ・ワールド」のイントロ部分の映像を見たときだった。
一発目のサビの爆発が始まる直前に、センターにいるのっちが人差し指で「こっちに来いよ」という感じで客席を煽った。
まさか動画は存在しないかと思ったが、あったので貼り付ける。

Perfume-エレクトロ・ワールド、ポリリズム(LIVE) 3


この動画の1分47秒くらいから。

あ~ちゃんも、かしゆかにも持ち合わせない、のっちだけが持つ「激情」のようなものを感じた。
「まだまだ足りないぞ!」と言われているような気分になる。

東京ドーム公演のときののっちには、こういった「激情」のようなものがずっと見えていたように思う。
見ているこちらにまで気合いが流れ込んでくるような迫力があった。
ラジオなどではまったく迫力を感じさせないのだが…。

と、ここでふと思い出したことがあった。
かつて、あ~ちゃんの発言について、J-CASTが完璧な誤読の捏造記事を流したときのことだ。
明らかに凹んでいるあ~ちゃんに代わって、のっちが勢いよく、噛まずに喋っていたことだ(かしゆかも雄弁になっていた)。
当時リアルタイムで聴きながら「のっち…どうしたんだ?大丈夫か?」と思っていたが、のっちは噛むことなく、ペラペラと流暢な日本語を操っていた。

恐らくこの日は、スタート時点からあ~ちゃんの不調は全員が分かっていたことなんだろうと思う。
かといってキャンセル出来る仕事ではない。
「あ~ちゃんは俺が守ってやる!」
のっちは、そう思ったのかも知れない。
その思いが、普段はファンから「噛みさま」と呼ばれているのっちを雄弁に仕立て上げた。
日常ののっちの喋りを知っているファンなら驚いたはずだ。
メンバーのピンチには、のっちは性能を越えた能力を発揮するんだな、と感心したものだ。

そして今回の東京ドーム公演では、かしゆかが体調不良(?)によってピンチに立たされていた。
これも、本番当日の朝からスタッフ全員が分かっていたはずだ。
もちろん、キャンセルなどしたら一大事だ。

ここで、のっちの「激情」とかしゆかの「ピンチ」が脳内でリンクしてしまった。
のっちの東京ドーム公演で見せた「激情」は、ひょっとしたら「かしゆかは俺が守ってやる!」といった感情が溢れ出しているものなんじゃないかと。

たぶんのっちは、そういう「漢」だと思う。

そう思わせるくらい、今回の東京ドームの映像は、のっちに目が行ってしまった。
キリリと勇ましい表情も光っていたが、ハの字まゆ毛も全開に近かった。
初の全国ツアーの「GAME」では、余裕でかしゆかの首をライトセイバーで切り落としていたのっちだが、今回の公演ではギリギリまでライトセイバーを遅らせて、かしゆかの首の切断を防いでいる姿が印象的だった。

実際にこういう人はいるが、職場の誰かがピンチに陥ることによって、パワーが出てくるタイプの人なのかも知れない。
本当に格好いいし、頼もしい。
大勢が見ているステージでは、あ~ちゃんとかしゆかとは違い、涙を見せることはない。
しかし、裏に回れば号泣していることは、先日のNHKのドキュメントなどで見ることができた。
アルバム「GAME」がオリコンチャートで初の1位を獲得した時にも、一番に泣いていたのはのっちだったとファンは知っている。

それでいて、普段はまったく、まったく、少しも、微塵も着飾らないところがのっちの魅力とも言えるだろう。
参考までに、TV Brossという雑誌で「理想の休日」と題した、三人の円グラフを載せよう。



あ~ちゃん。実にあ~ちゃんらしい、ほのぼのとしたスケジュールだ。




かしゆからしい、アクティブなスケジュール!




どうして誰も注意しなかったんだろう。

結論。
のっちさん、パねえっス!
コメント (4)
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「先生のおかげじゃわ。ホンマにありがとう」

2011-01-04 | Perfume
昨年の12月30日に放映されたNHK「密着!Perfumeドーム5万人ライブへの挑戦」を、やっと見ることができた。
NHKがPerfumeの特別番組を作るのは、2008年に武道館を目指した「Perfume 20歳の挑戦~Dream Fighter~」以来2年ぶりである。

さすがは国営放送!と唸るほどにスッキリとした、淡々と事実だけを記録した内容で素晴らしかった。
Perfumeに下手な味付けや過剰包装はいらない。

構成は、初の東京ドーム公演を目指すPerfumeの三人を、小学生時代から指導して来たMIKIKO先生を中心にした、ステージには見えない裏側の人たちの活躍でまとめられている。

MIKIKO先生は、ファンにとっては知ってて当たり前の存在だが、この番組で初めて知った、という人は多かったのではないだろうか。あの独特なダンスや、Perfumeがステージ上で繰り広げるパフォーマンスのデザインを担当している女性だ。
あ~ちゃん、かしゆか、のっちという三人の素材を活かして、他のアイドルグループの追従を一切許さない、Perfume独自の世界観を創り上げた。
私が勝手に感じていることだが、Perfumeに「影」や「陰」の印象を持ち込んだのが、MIKIKO先生独自の手腕だと思う。
そしてMIKIKO先生の脳内映像を完璧に具現化できる数少ない存在が、Perfumeの三人だ。

中田ヤスタカ氏と並んで「この人がいなかったらPerfumeは存在しなかった」と言いきれるほどに重要な存在である。

「Perfumeはワシが育てた」

と言っても許される唯一の存在だろう。Perfumeの心臓部だ。

MIKIKO先生のブログ。文章も素敵です。

映像は、東京ドーム公演のイントロである「GISHIKI」、「花道カー」と呼ばれる台車の調整が困難だった「GAME」、今回の公演では最大の見せ場だった「Perfumeの掟」などのリハーサル風景を中心に進む。

巨大すぎてリハーサルの幕張メッセでは花道一本分しか入らなかったステージを丸々と飲み込む東京ドームの大きさ。
両翼100メートルの花道の足場の下で三人とスタッフが忙しく動き回る。
正直、見ていて「これでよく頭をぶつけないな」と感心してしまった。

そして「GAME」では、その花道の上を「花道カー」でダンスしながら移動する。
ここは、三人が三方に分かれて客席に突き進んで行く、今回の公演でも見どころの一つだった。
興味深かったのは、リハーサルの段階では花道の途中でメインステージに引き返す予定だった「花道カー」が、三人の意見によって花道の先端に近い場所まで移動することになった場面。

一度目のサビで引き返さなければ、ダンスパフォーマンスとの関係上、メインステージには戻れなくなる。
それでも「お客さんの近くに行きたい」という気持ちがあったのだろう。
結果「GAME」での「花道カー」は二度目のサビまでスタンドの客席に向かって進行した。
戻れなくなったメインステージまでの距離は、曲の間奏を長くすることで解決されている(そこは紹介されていないが)。

もし私がかしゆかであったら、「あと二週間しかないし、チケットも完売しとるし、めんどくさいからいいじゃろ!」と言って余裕を持ってあきらめている所だが、そこで妥協しないのがかしゆかと私の差だ。

三人が妥協しなかったおかげで、東京ドーム公演での「GAME」は、三人がアリーナを横断して繰り広げる、本当に素晴らしいパフォーマンスとなった。

妥協しない、と言えばもう一つ印象的だったのが、「Perfumeの掟」のナレーションを作るに当たって、MIKIKO先生が三人に与えた「それぞれが考えるPerfumeとは?」という課題に対しての三人の答え。


あ~ちゃん

「黒髪 美白 前向き 夢追い人 アイドル」

のっち

「信じること 信じ合うこと 信じた道を進むこと」

かしゆか

「どんな状況もプラスに変える 楽しむ気持ち 妥協しない心」


三者三様で実に面白い。
こんな三人だからどんな状況でも切り抜けて来れたのだと思う。
冬山で遭難したら、ぜひともかしゆかと二人きりで山小屋に避難したいと強く感じた。

その他、Perfumeの映像には欠かせない関さん(この人はかしゆかにケツを蹴り上げられたことがある。羨ましい…)や、舞台裏になると必ず現れる舞台監督の内山さん(毎度思うのだが、この方はもうちょっと作業を減らしてあげたい…)などの活躍を紹介しながら、あっという間に映像は本番当日を迎える。

本番当日。
ウェディングドレスに身を包んでPerfumeに嫁ぐ三人の姿を見るだけで涙腺が崩壊する。
何とも言えない気持ちになる。もしも私が将来に娘を嫁がせるとすれば、こんな気持ちになるのだろう。

明らかにリハーサルの時とは顔が変わっている。
戦う訳ではないが、これから3時間ものあいだ、たった三人で5万人を相手にするのだ。
数年前まではタタミ2畳分のスペースでダンスをしていた三人だが、すでに「王者の風格」すら感じられる。

開演時間の17時になり、Perfumeを呼ぶ5万人の手拍子が鳴り響く。

ステージ裏で三人が手を合わせ円陣を組み、あ~ちゃんが言う。

「結成10周年、メジャーデビュー5周年です。
ほんまに、こんな記念のイヤーまで一緒におれてすごいうれしい。
一緒にできてうれしくて、一緒のステージに来れてうれしい。
二人のことをすごい信じているし、先生のことも信じているし、みんなの思いをちゃんと伝えましょう。
みんな、Perfumeのことを見に来てくれとるけんね。
こんな幸せなことはないけえ、伝えましょう」

「がんばるぞ!おー!」
「がんばるぞ!おー!」
「がんばるぞ!おー!」
「がんばるぞ!おー!」

しばらく手を合わせたまま、三人は祈るようにうつむく。

ここでの、のっちが集中力を上げて行く表情が恐ろしく感じるほどだった。
ステージ以外ではちょっとアレなのっちだが、ここで人格が入れ替わるのかもしれない。
のっち自身が言っていた言葉だが、まさしく「覚醒」だ。
画面からでもビリビリとした気合いが伝わってくるようだった。
やはり東京ドームを埋める人は、こういう表情をするのだろう。
「凛々しい」とは、このときののっちの表情のことを言うのだと思った。

「入り口は違うけど、繋がっとるよ!」
「大丈夫」

肩を叩き合いながらお互いを励ます。
確かに三人は繋がっているように見える。

そしてお互いがそれぞれの花道の先端に分かれて行く。
「三人合わせてPerfume」が「合わさってない」状態で始まり、あ~ちゃん、かしゆか、のっち、それぞれが花道の先端から、メインステージのテントに向かってゆっくりと長い花道を歩いて、Perfumeになる。

リハーサルでは上手く行かなかったことも、本番では無事にクリア。
我々はステージ上の出来事について固唾を飲んで見守っていたが、こうして裏舞台を見せられると、その緊張感の高さに驚く。

そしてアンコールに応えて三人が登場するシーンに。
WOWOWで放送されたライヴで何度も見たが、やはりここのシーンは素晴らしい。

「全然、無駄な時なんて一つもなかったし、着実に目標に向かって、前向きな3人はずっと昔から変わってないし、どんな時だって3人で信じてやってきたし、今日ここに、夢のステージに、かしゆかと、のっちと、一緒に立ててることが、すごいうれしいです」
「二人に会えて良かった」

もちろん、あ~ちゃんの言葉だ。
その言葉は、最後に

「MIKIKO先生、ありがとう」

という一言で終わる。

そして公演は、いつも通り三人の深いお辞儀をもって終了した。

そしてMIKIKO先生が駆け足で三人の楽屋に向かう。
「お疲れさま~!」
と笑顔で楽屋に入るMIKIKO先生を号泣で迎える三人。
泣きながらMIKIKO先生に「ありがとう」と言い続ける三人。

「すごい!頼もしい!三人だけで見せきった、良かったね、すごいね!」
三人をねぎらうMIKIKO先生。

「先生のおかげじゃわ。ホンマにありがとう」
あ~ちゃんは繰り返す。
MIKIKO先生と三人の絆の強さは理解していたつもりだったが、このシーンを見て、改めてそれを確認した。
恥ずかしながら、私にはこれほどまでに感謝を捧げるような人物は、身の回りにいない。
少しだけ、三人が羨ましくも感じた。
三方から集まって「GAME」で散って行った三人は、再び元の位置に戻り、MIKIKO先生の元に集う。

年末に販売された「TV Bros」で、ハリセンボンの近藤春菜氏が「Perfumeの魅力は『感謝』にある。深い『ありがとう』が届くから、応援したくなる」と語っていたが、まったくその通りだと思う。
本当に三人は感謝の気持ちを忘れない。
少なくとも私が三人を生まれて初めて見た2008年から今まで、どんなステージに立っても感謝の気持ちを表し、深く長く頭を下げてお辞儀をしていた。

「ありがとう」と言って頭を下げることなんて、誰にでも出来る。
正直、「とりあえず頭でも下げとけ」なんて思っていそうな奴はいくらでもいる。
しかし、そこから「ありがとう」という気持ちが確実にこちらに届いてくるのがPerfumeだ。

何故気持ちが届くのだろうか?
それは分からない。

Perfumeをよく知らない知人から「Perfumeの三人て性格良さそうだよね」などと言われることが多いが、それと同じような現象なのかもしれない。
会って話したことはないが、三人の性格が素晴らしく良いということだけは伝わる。

実際に目の当たりにしたが、今回の東京ドーム公演では、ステージに現れたのは本当に「三人だけ」だった。
にぎやかしのバックバンドやダンサーなどはもちろん、スタッフの一人でさえもステージには上がらなかった。
誰一人ステージに上がらないように設計して実行された。

「三人で出来ましたね!」

とのっちが言ったように、本当に三人だけで5万人を魅了した。

「『ドームになっても今までのスタイルで出来るんだよ』ということを見せられるかどうかが今回の挑戦」
とMIKIKO先生は語っていたが、それを見事に三人はやり遂げた。

そして、そのステージを構成した、Perfumeを愛して止まない5万人の内の一人として自分が存在することに、感謝の念が堪えない。

あ~ちゃん、のっち、かしゆか、MIKIKO先生、ありがとう!
そしてステージ裏で奮闘してくれたスタッフさん、ありがとう!

結論。
かしゆか好きっス!

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